地域的には、
古代
オリエントは、
古代エジプト、
古代メソポタミア、
古代ペルシャ含む地域をいう。
現在の
イラン、
イラク、
シリア、
トルコ、
レバノン、
ヨルダン、
イスラエル、
サウジアラビア、
エジプトなどの国々にまたがる地域をいう。
この地で興った文明をオリエント文明と呼ぶ。
オリエント文明は、
メソポタミア文明、エジプト文明を主軸として、
アッシリア帝国、ペルシャ帝国を含む。
紀元前7000年紀の「肥沃な三日月地帯における農耕・牧畜の開始」に始まり、
人類最古の文明であるオリエント文明の発祥地であるのみならず、
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教がこの地で生まれた。
また東西文明の交流の場として東西の諸文明に大きな影響を及ぼし、
かつ近年の中東地域の緊張は全世界に強い影響を与えている。
オリエント (Orient) は、ある地域から見て東方にある世界のことをいう。
狭義では、
古代ローマから見て東方にある世界のこと。
日本で「オリエント」というときは、
特に
中近東の「古代オリエント」を指すことが多い。
欧米では東西の世界にそれぞれオリエントとオクシデント (Occident) の表現を用いることがある。
イースト (east) とウエスト (west)、オリエントとオクシデントはいずれも方向を指し示すもので、
ラテン語であり、
「日が昇る方角(=東)」を意味する。
広義の「東方」という意味の「オリエント」には、
「
ウルグアイ東方共和国」 (Republica Oriental del Uruguay) の地名などにもみられる。
ヨーロッパではイースト、
オリエント、
アジアといった概念が「
ヨーロッパ以外のもの」に対する概念として形成されるなど、
これらの内容は千差万別で何に焦点を当てた議論かによって一律ではない。
オックスフォード大学では、
オリエント研究が学部名称となっているが、
その研究対象には中近東から日本まで全アジア地域を含む。
一方香港で
西暦1954年に創刊された雑誌『ジャーナル・オブ・オリエンタル・スタディーズ(ノルウェー語版)』の研究対象は東アジアと東南アジアでもっぱらユーラシア大陸の東端地域である。
歴史的にはユーラシア大陸の西端と東端に数千年にわたるふたつの文化圏が存在し、
現代日本語では二つの文化圏を西洋と東洋という概念で表現する。
一方、中国では歴史学の東西比較研究がテーマとなる場合、
西洋と東洋という表現の代わりに西方と東方と表現する。
オリエントとオクシデントは
ヨーロッパで、
東洋と西洋は日本で形成され、
本来は全く関係ない独立した思考概念であるが、
東洋はオリエントに相当する語として捉えられている。
様々な概念が混ざって複雑な欧米語とは違って、
日本語で「オリエント」というときは、
歴史的用語で古代エジプト、
古代メソポタミアを含み、
さらにトルコやパレスチナ、
ペルシャ(イラン)まで広がる「古代オリエント」を指すのが普通である。
いまの「中近東」の領域ともだいぶ重なる。
ここは、世界最古の文明が起こった歴史的にも重要な地域である。