ジャルモ遺跡 /
チャルモ遺跡 紀元前6750年頃
紀元前6750年頃の遺跡といわれ、イラク北東部の、クルド人の住むクルディスタンにある遺跡。
渓谷に面した台地上にあり、
遺跡の名前「チャルモ」は、
クルド語で「白い」という意味であり、
遺跡全体が土壌の色から白く見えることが由来である。
これがアラビア語になると濁って「ジャルモ」と発音されてしまう。
「
肥沃な三日月地帯」の東に位置し、
麦の原種が自生していた地域である。
そのため、
人類が小麦・大麦を栽培しはじめた場所と考えられている。
チャルモ遺跡は「初期の農耕事情」を知ることの出来る遺跡なのだ。
「人類史上最古といわれる農耕牧畜社会」と書かれているが、
約9,000年前の農耕社会の痕跡が残されているので、
最古級なのは間違いない。
50戸ほどの家屋に300人くらいが居住していたと考えられている。
家は石の基礎の上に粘土壁が築かれており、炉や土器がそなえてあった。
小麦・大麦・豆などが栽培され、
家畜は羊・山羊・牛・豚などがいた。
また、
道具としては石のかまやきね、
うすなどが使われていたようだ。
これらの道具は以前の打製石器とはちがい、砂や砥石で研磨された
磨製石器であった。
土器のない先土器新石器時代から、
土器を初めて製作する時代にいたる初期原始農耕集落の実相が明らかになった。