『先代旧事本紀/先代舊事本紀(せんだいくじほんぎ)』は、
日本の史書であり、
神道における神典である。
『旧事紀』(くじき)、『旧事本紀』(くじほんぎ)ともいう。
全10巻からなり、
天地開闢から
推古天皇までの歴史が記述されている。
著者は不明だが、
「天孫本紀」に尾張氏と
物部氏の系譜を詳しく記述し、
物部氏に関わる事柄を多く載せるところから、
著者は
物部氏の人物であるという説もある。
蘇我馬子などによる序文を持つが、
大同年間(
西暦806年 -
西暦810年)以後、
延喜書紀講筵(
西暦904年 -
西暦906年)以前の
平安時代初期に成立したとされる。
江戸時代の国学者である多田義俊、
伊勢貞丈、
本居宣長らによって偽書とされた。
近年序文のみが後世に付け足された偽作であると反証されたことから、
本文は研究資料として用いられている。
- 神皇系図 1巻:現在は伝わっていない。
- 第1巻「神代本紀」「神代系紀」「陰陽本紀」:天地開闢、イザナギ神話。
- 第2巻「神祇本紀」:ウケイ神話、スサノオ追放。
- 第3巻「天神本紀」:ニギハヤヒ神話、出雲の国譲り。
- 第4巻「地祇本紀(一云、地神本紀)」:出雲神話。
- 第5巻「天孫本紀(一云、皇孫本紀)」:物部氏、尾張氏の系譜。
- 第6巻「皇孫本紀(一云、天孫本紀)」:日向三代、神武東征。
- 第7巻「天皇本紀」:神武天皇から神功皇后まで。
- 第8巻「神皇本紀」:応神天皇から武烈天皇まで。
- 第9巻「帝皇本紀」:継体天皇から推古天皇まで。
- 第10巻「国造本紀」:国造家135氏の祖先伝承。