儒教は、
春秋時代に
孔子によって創始された思考・信仰の体系。
大成者の孔子から、
孔教・
孔子教とも呼ぶ。
また、その学問的側面から
儒学ともいう。
孔子やその弟子たちの教団は
儒家と呼ばれ、
諸子百家の一つに数えられる。
中国では、哲学・思想としては
儒家思想という。
孔子以前、原儒(原始儒教思想)の時代があった。
それは
シャマニズムを基礎としており、
孝という考えかたがあったのを、
孔子が登場、生命論として自覚して統合してゆくなかで、
儒教が成立してゆく。
(
加地伸行著『儒教とは何か』)
儒教は、
堯、
舜の行いに従い、
文王・
武王の法令を信奉し、
孔子を尊び、
其の言を重んじ神道を以て敎を設けて
夏王朝・
殷王朝・
周三代の礼制を踏襲している思想体系で、
日本では儒教は学問(儒学)として受容され、
国家統治の経世済民思想や帝王学的な受容をされたため、
神道、
仏教に比べて、宗教として意識されることは少ない。
なお中国では儒教は「名教」「礼教」「孔教」「孔子教」という呼称があり、
宗教として認知されることが多い。
日本に儒教が伝わったのは
仏教よりも早く、
西暦513年、
継体天皇の時代に
百済より
五経博士が渡日して伝えられたとされている。
これ以前にも、朝鮮半島から
王仁が「論語」及び「千字文」を持って渡来したという伝承もあり、
概ね
5世紀初めには伝来していたというのが通説である。