近江国(おうみのくに)/ 江州(ごうしゅう) 現在の滋賀県。
東山道の一国。
国力区分は
大国、
遠近区分は
近国。
近江は、
『
古事記』では「近淡海(ちかつあはうみ)」「淡海(あはうみ)」と記されている。
7世紀、
飛鳥京から
藤原宮期の遺跡から見つかった木簡の中には、
「淡海」と読めそうな字のほか、
「近淡」や「近水海」という語が見えるものがある。
「近淡」はこの後にも字が続いて近淡海となると推測される。
国名は、
琵琶湖を「近淡海」と称したことに由来するとする説が広く知られているが、
琵琶湖を「近淡海」と記した例はなく、
『
万葉集』をみても、琵琶湖は、
「淡海」「淡海之海」「淡海乃海」「近江之海」「近江海」「相海之海」と記されている。
「淡海」の所在する国で、
畿内から近い国という意味であり、
「近つ『淡海国』」であり、
「『近つ淡海』国」ではない。
大宝令の制定(
西暦701年)・施行を境にして、
近江国の表記が登場し、定着する。
西暦713年(
和銅6年4月丁巳(25日))の、
諸国郡郷名には好字二字をつけよ、との法令による。(
好字二字令)