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和泉国(いずみのくに)

作成日:2023/3/13

和泉国(いずみのくに)/ 泉州(せんしゅう) かつて日本の地方行政区分だった令制国の一つ。

畿内の一国。 国力区分は下国、 遠近区分は畿内。 現在の大阪府の南西部。

もとは「泉」一字で表記された。 「和泉」の国名は、 西暦713年和銅6年)の諸国郡郷名著好字令により国名を二字にする必要があり、 佳字の「和」を付与したものにしたためで、 「和」は読まない。 現在の大阪府和泉市の市名は、 かつて市内府中町に国府があったことに由来する。

続日本紀』によれば、 西暦716年霊亀2年3月27日)に河内国から和泉郡・日根郡を割き、 さらに同年4月13日に同国大鳥郡を併せて和泉監が建てられた。 元正天皇離宮(珍努宮、茅渟宮、和泉宮とも)がこの地に造営されたことが、 国司ではない監という特別な官司の設置の理由であると見られる。

国と異なる特別な機関ではあったが、 この時期のものとされる木簡に、 「和泉国和泉」(郡)とあるものが見え、 領域名称としては、 この当時から「和泉国」と呼ばれることがあったようである。

その後、西暦740年天平12年8月20日)に和泉監は廃止されて河内国に戻されたが、 西暦757年天平勝宝9年5月8日)に再度分離して和泉国が設置された。 『日本紀略』によれば、 西暦825年天長2年3月30日)、 摂津国から東生・西生・百済・住吉の4郡を和泉国に編入しようとしたが、 地元の反対があったため、 同年閏7月21日に取り止めとなった。

赤:和泉国 緑:畿内。(Wikipediaのsvgファイルへリンク)