小窓
八咫烏(やたがらす、やたのからす)

作成日:2023/7/16

八咫烏(やたがらす、やたのからす)  日本神話に登場するカラスであり、導きの神。

神武天皇を大和の橿原まで案内したとされており、 導きの神として信仰されている。 また、太陽の化身ともされる。 一般的に三本足の姿で知られ、古くよりその姿絵が伝わっている。 神武東征の際、 熊野国から大和国への道案内をしたとされる。
日本書紀』では
天照大御神によって遣わされ、 兄磯城・弟磯城兄弟にそれぞれ帰順を求め、 兄には「聞天壓神至而吾爲慨憤時、奈何烏鳥若此惡鳴耶。」と言われ弓矢で追い返されてしまうが、 弟はこれに恐れて「臣聞天壓神至、旦夕畏懼。善乎烏、汝鳴之若此者歟。」と言い、 葉盤八枚に食べ物を盛って烏に献上した。 それで八咫烏は神武天皇のもとへ戻り、 兄磯城に反抗の心がある旨を報告した。 その後その功が労われ、 頭八咫烏の子孫は葛野主殿縣主(かづののとのもりのあがたぬし)となり、 劒根は葛城国造となっている。
古事記』では
高木大神によって、 兄宇迦斯・弟宇迦斯兄弟に神武天皇への帰順を求めるために遣わされるが、 兄に鳴鏑で追い返されたとされる。

熊野三山においてカラスはミサキ神(死霊が鎮められたもの。神使)とされており、 八咫烏は熊野大神(素戔嗚尊)に仕える存在として信仰されており、 熊野のシンボルともされる。 近世以前によく起請文として使われていた熊野の牛玉宝印(ごおうほういん)にはカラスが描かれている。

咫(あた)は長さの単位で、 親指と中指を広げた長さ(約18センチメートル)のことであり、 八咫は144cmとなるが、 ここでいう八咫は単に「大きい」という意味である。


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