アッシリアの日食(Assyrian eclipse)または
ブル・サガレの日食とは、
新アッシリア帝国のエポニム表に記録されている日食で、
アッシュル・ダン3世の治世の10年目に発生した可能性が最も高いと考えられている。
この日食は
紀元前763年6月15日(
先発ユリウス暦)に発生したものに同定されている。
該当する記述は以下のように短い。
グザナのブル・サガレ(の年)。アッシュルの街で反乱。
(バビロニア暦の3番目の月である)シマヌの月(グレゴリオ暦の5月または6月に相当する)に日食が起こった。
該当する部分で使われているアッシリア語の単語「シャマシュ」(
太陽)と「アカッル」(曲がっている) という単語は、
19世紀半ばに初めて
楔形文字が解読されて以来、
日食があったという証拠として解釈されている。
「ブル・サガレ」(「ブル・サギッレ」「プル・サガレ」「パル・サガレ」などと表記される場合もある)という名前は、
当時のエポニム式紀年法で使われていたリンムの名前である。
...
西暦1867年に、
英国のヘンリー・ローリンソンは
紀元前763年6月15日に起きた日食を、
アッシリアの日食の最有力候補として同定した。
アッシリア北部では、
この日食は正午の直前に見られた。
それ以来、この日付は幅広く受け入れられている。
同じ時期の他の天体観測の記録からも、
この特定が適切であることが導ける。
そのため、この記録は古代オリエントの編年を決定するための絶対的な証拠として非常に重要である。
現代の計算によれば、
この日食は
皆既日食であり、
アフリカ・アジア・
ヨーロッパの広範囲で部分日食が見られた。
アフリカ西端のヴェルデ岬近傍で始まった皆既帯はサハラ砂漠を横断して地中海に入りキプロス島を通過した後、
歴史的シリアに上陸してアッシリア北部に達した。
アッシリアを通過した皆既帯はカスピ海南部を横断し、
この東岸(現在のトルクメニスタン、北緯38.9度 東経54.3度)で協定世界時8時14分1秒に食分1.05962で最大食を迎えた。
この地点では5分間
皆既日食が見られた。
その後、皆既帯は中央アジア、チベット高原を通って中国華南地方から南シナ海に出て、
ルソン島を通過した。
そして、フィリピン海に入ったところで日没となり
皆既日食は終了した。
天の川銀河(あまのかわぎんが)英語:Milky Way Galaxy / 銀河系 英語:the Galaxy、our Galaxy
天の川銀河は
太陽系を含む銀河の名称で、棒渦巻銀河のひとつである。
地球から見えるその帯状の姿は天の川と呼ばれる。
1000億個の恒星を含み、
巨大なブラックホールを中心に回っている。
直径は約8万光年-10万光年、
中心部の厚さは1万5000光年、
周縁部の厚さは1000光年の円盤形である。
天の川銀河は、銀河群の中で、アンドロメダに次いで2番目に大きい銀河群である。
天の川銀河は105,700光年の幅で、アンドロメダは220,000光年の幅である。
ちなみに、銀河群(天の川を含む数十個の銀河の集まりで、重力的に結びついた集合体)の大きさは1000万光年である。
なお、
太陽系は天の川の核から約27,000光年、その中心と端のほぼ中間に位置している。
西暦2007年5月16日。
天の川銀河に132億歳の星が存在するという研究が発表された。
年齢がわかっているものとしてはもっとも高齢で、
事実だとすれば
ビッグバンからたった5億年後に誕生したことになる。
われわれの
天の川銀河も、そのころに形成されたのかもしれない。
宇宙の晴れ上がり(うちゅうのはれあがり) 英語:clear up of the Universe[
宇宙の晴れ上がり(clear up of the Universe)は、
ビッグバン理論において宇宙の始まり以来、
初めて光子が長距離を進めるようになった時期を指す。
これは
ビッグバンから約38万年後であるとされ、
宇宙マイクロ波背景放射の原初で、
これ以前の時代を「宇宙の暗黒時代」などと呼ぶことがある。
(「
宇宙の晴れ上がり」という用語は佐藤文隆の提唱によるもので、
この言葉に対する英語の定訳はなく、
再結合期(en:Recombination)や、トランスペアレント(透明)になったという)。
ビッグバンからおよそ38万年後に宇宙の温度は約3000℃まで低下し、
電子と原子核が結合して原子を生成するようになると、
光子は電子との相互作用をまぬがれ長距離を進めるようになった。
これを宇宙が放射に対して「透明になった」 (Transparent)、
あるいは宇宙が「晴れ上がった」などと表現する。
同様に、
宇宙の晴れ上がり以前の状態は、
宇宙が放射に対して「不透明である」 (opaque)、
あるいは宇宙が「霧がかっている」 (Foggy) などと表現する。
この電子と原子核との結合を、
英語では電離 (combination) の対義語となる「再結合」を意味する "Recombination" と呼ぶが、
実際には再度の結合ではなく初めての結合である。
ガイア・ソーセージ(Gaia Sausage)/
ソーセージ銀河(Sausage Galaxy)
ガイア=エンケラドゥス=ソーセージ(Gaia-Enceladus-Sausage)
ガイア=エンケラドゥス(Gaia-Enceladus)
ガイア・ソーセージは、
およそ80億年から110億年前に天の川銀河と衝突合体した矮小銀河の痕跡である。
衝突する前の矮小銀河は、
ソーセージ銀河、
あるいは
ガイア=エンケラドゥス=ソーセージ、
ガイア=エンケラドゥスとも呼ばれる。
ソーセージ銀河との衝突で、
総質量が太陽の100億倍を超える恒星、ガス、暗黒物質が天の川銀河に取り込まれ、
そこには少なくとも8つの球状星団が含まれていたと考えられる。
「
ガイア・ソーセージ」という呼称は、
ガイア計画の位置天文衛星「ガイア」の観測で測定された恒星の空間速度を、
動径方向の速度と円運動方向を軸にして図示した速度空間において、
ソーセージのような横長の楕円形に分布している集団がみられることに由来する。
合体によって天の川銀河に加わった恒星は、
非常に細長く伸びた軌道を持っている。
それらの恒星の軌道は、天の川銀河の中心からおよそ20キロ
パーセクの距離に遠点があり、
それより外では急に恒星がまばらになるので、
その境界が恒星ハローの「ブレイク半径」とされる。
...
ソーセージ銀河を起源とする球状星団は、
NGC 1851、NGC 1904、NGC 2298、NGC 2808、NGC 5286、NGC 6864、NGC 6779、そしてNGC 7089である。
また、NGC 362とNGC 1261もその候補とされる。
別の分析では、同じような軌道をとる球状星団は、13に上る。
矮小銀河から来た恒星は、
天の川銀河の核の周りを離心率のオーダー0.9という極端な楕円軌道で周回している。
それらの恒星の金属量は、典型的には他のハロー星より高く、
金属量の指標である水素を基準とした相対的な鉄の存在量[Fe/H]が-1.7を上回る。
ソーセージ銀河は、
薄い円盤(英語版)を膨張させて厚い円盤(英語版)を生み出すなど、
天の川銀河の形を作り変えた。
一方で、ソーセージ銀河から天の川銀河にもたらされたガスは、
新たな星形成を誘発し、
薄い円盤を補充することにもなった。
また、矮小銀河の残骸は、
銀河系の内側ハローに属する恒星の大部分をもたらした。
海王星(かいおうせい) 英語:Neptune
海王星は、
太陽系の第8
惑星で、
太陽系の
惑星の中では一番外側を公転している。
直径は4番目、
質量は3番目に大きく、
地球の17倍の質量を持ち、
太陽系のガス惑星としては最も密度が高い。
海王星は組成が類似し直径がやや大きい
天王星の質量(
地球の15倍)よりもわずかに大きい。
164.8年かけて公転しており、
太陽からは平均30.1 au(約45億 km)離れている。
名称は、ローマ神話における海神ネプトゥーヌスに因んで命名され、
惑星記号(♆)はネプトゥーヌスが持つ三叉槍を様式化したものである。
肉眼で観望することは出来ず、
太陽系において唯一、
経験的観測でなく数学的予測によって発見された
惑星である。
フランスの天文学者アレクシス・ブヴァールは、
天王星の軌道の予期せぬ変化から、
天王星の軌道が未知の
惑星の重力による摂動のために生じているという推論を導いた。
その後、ユルバン・ルヴェリエによって予測された範囲内の位置で、
西暦1846年9月23日に、
ヨハン・ゴットフリート・ガレが望遠鏡を用いて発見した。
海王星の
衛星では最大のトリトンは、
その後間もなく発見された。
現在では他に13個の
衛星が知られているものの、
地球から
海王星までの距離が大きく地上からの観測が困難なため、
それらの存在が明らかとなったのは20世紀以降のことである。
西暦1989年8月25日、
宇宙探査機ボイジャー2号が
海王星を訪れ、
フライバイを行った。
ハッブル宇宙望遠鏡や補償光学機能を備えた大型の地上望遠鏡の登場によって、
近年は遠方からの更なる観測が可能になっている。
天王星型惑星
巨大氷惑星 英語:ice giant
天王星型惑星または
海王星型惑星は、
メタン、アンモニアを含む氷や液体の水を主体とした巨大な惑星。
太陽系では
土星より外側にある
天王星・
海王星がこれにあてはまる。
かつては、
天王星、
海王星はその大きさと位置から
木星型惑星に分類されていた。
しかし、ボイジャー2号の観測により、
豊富な水やメタンが存在することが判明した。
その結果、水素やヘリウムを主体とし、ガス成分が多く、
密度も比較的低い
木星型惑星に対し、
水やメタン等が多く、
ガス成分が比較的少ない
天王星及び
海王星を
天王星型惑星として区分するようになった。
その組成から
天王星型惑星は、
巨大氷惑星、
アイスジャイアント(ice giant)と呼ばれる。
これに対し、組成の主体がガスである
木星型惑星は、
巨大ガス惑星、ガスジャイアント(英語: gas giant)と呼ばれる。
地球型惑星(terrestrial planet、telluric planet)
岩石惑星(Rocky planets)
個体惑星(solid planet)
地球型惑星は、
ケイ酸塩鉱物が主体の岩石と鉄を主成分とする金属から構成される惑星を指す。
固体惑星、
岩石惑星ということもある。
太陽系の地球型惑星には、
水星、
金星、
地球、
火星がある。
地球型惑星の内部構造は中心に金属からなる中心核、
厚い岩石質のマントル、
最も外側の密度の低い岩石質の地殻で構成されている。
地球ではマントルの主成分はカンラン岩(Mg2SiO4)であり、
他の
地球型惑星や
月でもそれに近いと考えられている。
地球型惑星の初期には、
惑星集積にともなう重力エネルギーが原始大気の保温効果などにより取り込まれ、
溶融したマグマオーシャンが形成され、
金属が沈降して中心核となった。
太陽系外惑星でも、
地球質量の数倍程度の惑星が発見されており、
地球型惑星と思われるものも見つかっている。
銀河(galaxy)
多数の星、ガス、ダスト(塵)、およびダークマターなどで構成された天体。
自己重力系(自らの重力で形状を保っている系。
惑星、恒星、惑星系、連星、球状星団、
銀河、銀河団などが挙げられる。)である。
1000億個以上の星を含む明るいものから、球状星団よりも暗いものまで、
明るさと質量には何桁もの幅がある。
銀河と球状星団の違いは、ダークマターを含むかどうかにある。
銀河の質量の大部分はダークマターだが、
球状星団にはダークマターは見つかっていない。
英語no「galaxy」は、
ギリシャ語から派生した「gálaxias、γαλαξίας」を語源とする。英語で天の川を指す「Milky Way」はラテン語「Via Lactea」の翻訳借用であるが、このラテン語もギリシャ語の「galaxias kyklos」から来ている。
一般にUBV測光のBバンドでの絶対等級が-18等程度を境にして、
それより明るいものは巨大銀河、
暗いものは矮小銀河と呼ばれる。
銀河は、見かけの形状や明るさに基づいて多くの形態に分類される。
広く用いられているハッブル分類という形態分類法では、
巨大
銀河は、楕円銀河、レンズ状銀河、渦巻銀河、不規則銀河、特異銀河に分類される。
レンズ状銀河は研究者の間ではS0銀河(S0はエスゼロと発音)と呼ばれることが多い。
銀河円盤(ディスク)を持つ渦巻銀河とレンズ状銀河を合わせて円盤銀河(disk galaxy)と呼ぶことがある。
後期重爆撃期(Late Heavy Bombardment, lunar cataclysm, LHBとも)
後期重爆撃期とは、
天文学・地球惑星科学において41億年前から38億年前の期間を指す言葉である。
ここで言う「後期」とは
星間物質の集積(衝突)による
惑星の誕生・成長(en:planetary accretion)の時期を前期とし、
惑星形成後の衝突を後期としたものである。
この時代には
月(つき)に多くの隕石衝突によるクレーターが形成され、
地球・
水星・
金星・
火星といった岩石惑星も多くの天体衝突を受けたと考えられている。
後期重爆撃期の主な証拠は
月(つき)の石の年代測定から得られたもので、
天体衝突に由来する月面の溶融岩石の大部分がこの短い期間に作られたと示されている。
後期重爆撃期の原因については諸説が唱えられているが、
広く合意を得たものはない。
有力な説の一つとしてはこの時期に巨大ガス惑星の公転軌道が変化し、
その影響で
小惑星やエッジワース・カイパーベルト天体の公転軌道の離心率が上昇、
一部が岩石惑星の領域にまで到達したというものがある。
一方で
後期重爆撃期の存在に懐疑的な見方もある。
月(つき)サンプルの年代の偏りは見かけ上のもので、
採取された試料が一つの衝突盆地に由来するとすれば後期重爆撃を仮定する必要はないというものである。
コマ 英語:coma
コマとは、
彗星核の周囲を取り巻くエンベロープ(星雲状のガスやダスト)につけられた名称である。
ラテン語に由来し『髪の毛』を意味する。
彗星が長楕円軌道の近日点近くを通過する頃、
太陽エネルギーにより彗星本体が温められてその一部が昇華したものである。
コマはおもに氷とダスト(塵)からなる。
ダストのなかの大きな粒子は彗星の軌道上にとり残されて散らばり、
小さな粒子は
太陽の放射圧によって吹き飛ばされて彗星の尾をつくる。
このため彗星を望遠鏡で観察すると『ぼんやり』としており、
恒星と区別がつく。
NASAのスターダスト計画は彗星の
コマのサンプル採集が目的である。
彗星の軌道が
地球の軌道と交差するものでは、
このダストの粒子が流星雨となって観察される。
ジャイアント・インパクト説(giant-impact hypothesis)
ジャイアント・インパクト説とは、
地球の
衛星である
月(つき)がどのように形成されたかを説明する学説である。
巨大衝突説とも呼ばれる。
この説においては、
月(つき)は原始地球と
火星ほどの大きさの天体が激突した結果形成されたとされ、
この衝突はジャイアント・インパクト(大衝突)と呼ばれる。
また、
英語ではBig Splash や Theia Impact と呼ばれることもある。
原始地球に激突したとされる仮想の天体はテイア(Theia)と呼ばれることもある。
ジャイアント・インパクト説は、
月(つき)の形成に関する最も有力な説となっている。
ただし、
地球と
月(つき)の成分構成などから疑問を唱える学者もおり、
西暦2017年には複数衝突説が発表されている。
準惑星(じゅんわくせい、英: dwarf planet)とは、
太陽の周囲を公転する
惑星以外の天体のうち、
それ自身の重力によって球形になれるだけの質量を有するもの。
国際天文学連合(IAU)が
西暦2006年8月24日に採択した第26回総会決議5A(以下、決議5Aと略)の中で「
惑星」を再定義した際に、
同時に定義された
太陽系の天体の新分類である。
dwarf planet(ドワーフ・プラネット) (
準惑星)とは、以下の条件をすべて満たす天体である。
- 太陽をめぐる軌道を周回している。
- 固体をその形に維持するための力(機械的強度)によるのではなくそれ自身をまとめあげている重力(自己重力)によって静水圧平衡(ほぼ球形)を保つに足る質量がある。
- その軌道近くから他の天体が排除されていない(他の天体を取り込んだりはじき飛ばしたりしていない)。
- それ自体が衛星ではない(ただし、以下に明示したように「衛星」の定義はなされていない)。
なお、学術用語について、学会などが定義を明言することは極めて異例である。
日本学術会議による提言
IAU総会の決議直後には dwarf planet の訳語として「
矮惑星」などが使われたが、
日本学術会議は
西暦2007年4月9日の対外報告(第一報告)において日本語では「
準惑星」と表記することを推奨している。
ただし、「
冥王星もケレスもエリスも性質が違うので同じ呼称に含めるのはおかしい」との意見があったこと、
単に球形というだけでは自己重力によってその形状を保っているのかどうかわからないことなどから、
IAU に対して定義の再検討を求めていくとしている。
具体的には一定以上の直径を持つこと(例えば直径 1,000km とするなど)を「
準惑星」の基準に加えるという案がある。
日本学術会議では、dwarf planet という概念には未だに曖昧な部分があることから、
学校教育の現場などでは積極的な使用を推奨しないとしている。
小惑星(しょうわくせい) 英語:Asteroid)
小惑星は、
太陽系小天体のうち、
星像に拡散成分がないものの総称。
拡散成分(
コマやそこから流出した尾)があるものは彗星と呼ばれる。
ウィリアム・ハーシェルによって、
(当時の)望遠鏡で見ると恒星のように見えることから、
ギリシャ語の αστηρ(aster:恒星)と ειδο?(eidos:姿、形)からアステロイド「asteroid:恒星のようなもの」と命名された。
太陽系内の
惑星より小さな天体であることから「minor planet:小さな
惑星」、
「planetoid:
惑星のようなもの」などとも呼ばれた。
現在では岩石を主成分とするものを「asteroid」と称し、
「minor planet」は「asteroid」に加え、
太陽系外縁天体、彗星・小惑星遷移天体や
準惑星などを含んだ天体の総称とされているが、
「minor planet」も「asteroid」も日本語ではどちらも「
小惑星」と訳される(たとえば、小惑星番号は「minor planet」の番号のことであり、「asteroid」には含まれない
準惑星などにも割り当てられる)。
その多くは
火星と
木星の間の軌道を公転しているが、
地球付近を通過する可能性のあるものも存在する。
21世紀初頭まで最大の
小惑星であったケレス(Ceres:数字は
小惑星番号。以下同様)でも
地球の
月(つき)よりはるかに小さい。
また、
惑星や
衛星のような球形をしているのはケレスなどごく一部の大型の
小惑星のみで、
大半は丸みを帯びた不定形である。
星間物質(せいかんぶっしつ)、
星間ガス、
星間塵(
宇宙塵)
星間物質(Interstellar medium、ISM)は、
恒星間の宇宙空間に分布する希薄物質の総称である。
密度では、
地球の上層大気よりも遙かに希薄であるが、
地上からもしばしば星雲として観測される。
大量の
星間物質が凝縮して、
星を構成する材料にもなる。
星間物質は、
気体の
星間ガスと、
固体の細かい塵である
星間塵(
宇宙塵)に分けられる。
前者は主に水素やヘリウムなどの軽い気体、
後者は珪素や炭素、鉄、マグネシウムなどから成る微粒子である。
存在比でいうと星間ガスの方が多く、
星間塵は
星間物質全体の質量の1%程度と少ない。
一部の
星間物質が濃密に凝集して星雲・分子雲を形成することがあるが、
大部分は可視光では観測不能で、
赤外線や電波の放射によって観測される。
星間物質の平均密度は、
1立方センチあたり水素原子が一個から数個程度であり、
地上の実験室で達成できる真空状態を遙かにしのぐ超高度真空状態であるが、
極めて低い密度ながらこうした物質が全体に存在しており、
分子雲などではより密度が高くなっている。
とくに
銀河において、
中心核(バルジ)やそれを取り巻く円盤部分、
そして
銀河全体を包み込む球状の
銀河ハローなどには大量に分布している。
星間物質の総量は、
銀河系に属する恒星の総質量の約10%を占めると推定されている。
地球(ちきゅう)
太陽系に属する
惑星の1つで
岩石惑星(地球型惑星)に分類される。
太陽から3番目に近く、
表面に水、
空気中に酸素を大量に蓄え、
多様な生物が生存することを特徴とする
惑星である。
今から138億年前、
宇宙誕生のきっかけとなる
ビッグバンが起き、
46億年ほど前に
太陽が誕生した。
その直後、
約45億4000万年前に
太陽系の他の
惑星とともに
地球が誕生した。
「
地球」という言葉は中国語に由来するとされる。
確認されている最も古い文献は17世紀初頭の地図である。
この頃には
地球は球体であるという科学的認識が既に西欧から伝わっていたと認識されている。
太陽からの平均距離:1億4959万7870.700km(これを「1
天文単位:astronomical unit(au)」と呼ぶ)
赤道半径:6378.137km
極半径:6356.752km(赤道半径のほうが極半径よりも約 21384.686m大きい)
扁平率:「1/298.257222101」の回転楕円体である。
公転周期:365.257日
自転周期:0.9973日
太陽系の
惑星の大きさ(順序)
木星>
土星>
天王星(てんのうせい)>
海王星>
地球>
金星>
火星>
水星
惑星の
太陽系からの距離(近い方から)
水星<
金星<
地球<
火星<
木星<
土星<
天王星(てんのうせい)<
海王星
超新星爆発(ちょうしんせいばくはつ) 英語:supernova
超新星爆発は、
大質量の恒星が、
その一生を終えるときに起こす大規模な爆発現象である。
超新星爆発は、
地球から見ると、
他のどの恒星よりも明るく、
まるで新しい星が出来たかのように見えることから、
恒星の終末期であるにも関わらず「超新星」と呼ばれている。
- Ⅰ型超新星
-
白色矮星の近くに赤色巨星がある場合、
赤色巨星の表面が重力の強い白色矮星に吸いこまれる。
白色矮星はどんどん大きく重くなることで内部で炭素の核融合が暴走し、
大爆発が起こる。
このI型超新星は、
白色矮星が少しずつ周りの物質をまきこみながら重くなって爆発を起こすため、
臨界点となる重さは太陽の約1.4倍と決まっている。
爆発する時の重さが一定のため、
規模も明るさも一定になる。
よって明るさを正確に測定することにより、
地球からの距離を知ることができる。
- Ⅱ型超新星
-
太陽の重さより8倍以上重い星は、
内部で核融合の燃料となる物質を使い果たすと、
星を支えていた圧力が下がり、
重力(内側につぶれようとする力)が強くなってしまう。
すると中心部が一気に崩壊をし、とつぜん大爆発をおこしてしまう。
その中心には、中性子星かブラックホールができる。
初期の宇宙では、
元素はほとんどが水素とヘリウムの同位体で、
わずかにリチウムとベリリウムの同位体が存在する程度だった。
それよりも重いホウ素、炭素、窒素、酸素、珪素や鉄などの元素は恒星内部での核融合反応で生成し、
超新星爆発により恒星間空間にばらまかれた。
そして、
鉄よりも重い元素は
超新星爆発時に生成したと考えられている。
これに加え、
超新星爆発による衝撃波は
星間物質の密度にゆらぎを生み出し、
新たな星の誕生をうながしている。
また、
炭素の同位体比から
超新星爆発時に合成されたと考えられるダイヤモンドなどの粒子が、
隕石の中から発見されている。
土星(どせい) 英語:Saturn(サターン)
土星は、
太陽から6番目の、
太陽系の中では
木星に次いで2番目に大きな
惑星である。
巨大ガス惑星に属する
土星の平均半径は
地球の約9倍に当たる。
平均密度は
地球球の1/8に過ぎないため、
巨大な体積のわりに質量は
地球の95倍程度である。
そのため、木星型惑星の一種に分類されている。
土星の内部には鉄やニッケルおよびシリコンと酸素の化合物である岩石から成る中心核があり、
そのまわりを金属水素が厚く覆っていると考えられ、
中間層には液体の水素とヘリウムが、
その外側はガスが取り巻いている。
惑星表面は、
最上部にあるアンモニアの結晶に由来する白や黄色の縞が見られる。
金属水素層で生じる電流が作り出す
土星の固有磁場は
地球磁場よりも若干弱く、
木星磁場の1/12程度である。
外側の大気は変化が少なく色彩の差異も無いが、
長く持続する特徴が現れる事もある。
風速は
木星を上回る1800 km/hに達するが、
海王星程ではない。
土星は恒常的な環を持ち、
9つが主要なリング状、3つが不定的な円弧である。
これらはほとんどが氷の小片であり、
岩石のデブリや宇宙塵も含まれる。
知られている限り146個の
衛星を持ち、
うち63個には固有名詞がついている。
これにはリングの中に存在する何百という小衛星(ムーンレット)は含まれない。
タイタンは
土星最大で
太陽系全体でも2番目に大きな
衛星であり、
水星よりも大きく、
衛星としては
太陽系でただひとつ有意な大気を纏っている。
日本語で当該
太陽系第六
惑星を「
土星」と呼ぶ由来は、
古代中国において五
惑星が五行説に当てはめて考えられた際、
この星に土徳が配当されたからである。
英語名サターンはローマ神話の農耕神サートゥルヌスに由来する。
日食(solar eclipse)とは
太陽が
月によって覆われ、
太陽が欠けて見えたり、
あるいは全く見えなくなったりする現象である。
日蝕と表記する場合がある。
朔すなわち新月の時に起こる。
月と
太陽の視直径はほとんど同じであるが、
月の地球周回軌道および地球の公転軌道は楕円であるため、
地上から見た
太陽と
月の視直径は常に変化する。
月の視直径が
太陽より大きく、
太陽の全体が隠される場合を
皆既日食または
皆既食(total eclipse)という。
逆の場合は
月の外側に
太陽がはみ出して細い光輪状に見え、
これを
金環日食または
金環食(annular eclipse)と言う。
場合によっては
月と
太陽の視直径が食の経路の途中でまったく同じになるため、
正午に中心食となる付近で
皆既日食、
経路の両端では
金環日食になることがあり、
これを
金環皆既日食または
金環皆既食(hybrid eclipse)と呼ぶが、
頻度は少ない。
皆既日食と
金環日食および
金環皆既日食を、
太陽と
月の中心が重なっていることから
中心食と称する。
中心食では本影と金環食影が
地球上に落ちて西から東に移動し、
その範囲内で中心食が見られ、
そこから外れた地域では半影に入り
太陽が部分的に隠される
部分日食または
部分食が見られる。
半影だけが
地球にかかって、
地上のどこからも
中心食が見られないこともある。
また日の出の際に
太陽が欠けた状態で上る場合を特に
日出帯食、
逆に欠けた状態で日の入りを迎える場合を
日入帯食(
日没帯食)と呼ぶ。
この場合、
いずれも食の最大を迎える前と食の最大を過ぎた後に分類される。
ビッグバン
ビッグバン(Big Bang、「大きなバン!(という音)」を意味する)とは、
宇宙は非常に高温高密度の状態から始まり、
それが大きく膨張することによって低温低密度になっていったとする膨張宇宙論(
ビッグバン理論)における、
宇宙開始時の爆発的膨張。
インフレーション理論によれば、
時空の指数関数的急膨張(インフレーション)後に相転移により生まれた超高温高密度のエネルギーの塊がビッグバン膨張の開始になる。
その時刻は今から138.2億年前と計算されている。
ビッグバン理論を提唱したのは
ジョージ・ガモフであり、
「ビッグバン」という名称はこれに反対した
フレッド・ホイルによる揶揄的な表現が定着したものである。
遠方の銀河が
ハッブル-ルメートルの法則に従って遠ざかっているという観測事実を一般相対性理論を適用して解釈すれば、
宇宙が膨張しているという結論が得られる。
宇宙膨張を過去へと外挿すれば、
宇宙の初期には全ての物質とエネルギーが一カ所に集まる高温度・高密度状態にあったことになる。
この高温・高密度の状態よりさらに以前については、
一般相対性理論によれば重力的特異点になるが、
物理学者たちの間でこの時点の宇宙に何が起きたかについては広く合意されているモデルはない。
20世紀前半までは、
天文学者の間でも「宇宙は不変で定常的」という考え方が支配的だった。
西暦1948年にジョージ・ガモフは高温高密度の宇宙がかつて存在していたことの痕跡として
宇宙マイクロ波背景放射(CMB) が存在することを主張、
その温度を5
Kと推定した。
この
宇宙マイクロ波背景放射(CMB)が
西暦1964年になって発見されたことにより、
対立仮説(対立理論)であった定常宇宙論の説得力が急速に衰えた。
その後も
ビッグバン理論を高い精度で支持する観測結果が得られるようになり、
膨張宇宙論が多数派を占めるようになった。
ジョージ・ガモフ(George Gamow)/ ゲオルギー・アントノヴィッチ・ガモフ
西暦1904年3月4日 - 西暦1968年8月19日(64歳没)
ジョージ・ガモフは、
ロシア帝国領オデッサ(現在はウクライナ領)生まれのアメリカの理論物理学者。
アレクサンドル・フリードマンの弟子。
フレッド・ホイル(Sir Fred Hoyle, 西暦1915年6月24日 - 西暦2001年8月20日(86歳没))
サー・
フレッド・ホイルは、
イギリスウェスト・ヨークシャー州ブラッドフォード出身の天文学者、
SF小説作家。ケンブリッジ大学エマニュエル・カレッジ卒業。
概要
ガモフ(G. Gamow)らにより提唱された宇宙進化のモデルで、
宇宙はビッグバンという大爆発により誕生し、
高温高密度の「火の玉」状態から膨張とともに冷却し、
その過程で恒星や銀河などの構造を作りながら、
現在に至ったという理論。
- 宇宙膨張を意味するハッブル-ルメートルの法則
- 宇宙マイクロ波背景放射の存在
- ビッグバン元素合成における軽元素存在量の理論と観測の一致
の三大観測結果を整合的に説明する宇宙モデルである。
その一方、
単純に考えるとビッグバンの瞬間は初期特異点になってしまうので、
ガモフの考えたビッグバン宇宙論を宇宙の全進化史を記述する理論としてそのまま受け入れることはできない。
現在の宇宙誕生論
現在では宇宙の誕生は一般には以下のように考えられている。
量子的論的な「ゆらぎ」によって莫大な数の小さな(ミクロな)時空(10-35 m程度)が誕生した。
その中でインフラトンと呼ばれるスカラー場のエネルギーによって時空が指数関数的な膨張をして、
量子力学の対象とはならない程度の大きな(マクロな)宇宙になったものがある。
この指数関数的な激しい膨張をインフレーションという。
インフラトンが素粒子の統一理論の中でどのような位置を占めているのかは明らかにはなっておらず、
現在のところ具体的なインフラトンのモデルに定説はない。
このインフラトンのエネルギーが放射に転化してインフレーションが終わり、
宇宙は高温・高密度の放射で満たされる。
この時点のマクロな宇宙をガモフの考えたビッグバンの瞬間(火の玉)とする。
このように、
現在ではインフレーション理論と組み合わせた形のビッグバン宇宙論が宇宙を記述する標準宇宙モデルとなっている。
西暦1929年に宇宙が膨張していることが観測的に確立(ハッブル-ルメートルの法則)した後、
宇宙に関する二つの見方が生まれた。
一つは、
西暦1946年 -
西暦1948年にかけてガモフが提唱した上述のビッグバン宇宙論で、
もう一つは
西暦1948年にホイル(F. Hoyle)らにより提唱された定常宇宙論である。
当時はハッブル定数が現在よりも5倍以上大きく見積もられていて、
ビッグバン宇宙論に基づいて推定した宇宙年齢は20億年程度であった。
放射線年代測定法で決められた地球の岩石の中に、
20億年より古いものが発見されたこともあり、
両者のどちらが正しいのかなかなか決着がつかなかった。
西暦1960年代にプリンストン大学のディッケやピーブルスらは、
ビッグバン宇宙論が正しいとすれば、
誕生初期に宇宙を満たしていた高温の放射(黒体放射)の名残が観測されるはずだと考え、
それを検出する観測を計画していた。
プリンストン大学に近いアメリカニュージャージー州のベル研究所で、
高性能電波アンテナの開発研究をしていたアーノ・ペンジアス(A. Penzias)とロバート・ウィルソン(R. Wilson)が、
空のあらゆる方向からやってくる正体不明の電波を偶然に検出した。
プリンストン大学の研究者がそのような電波があるという話をしていると聞いて、
二人はプリンストン大学を訪ねた。
議論を重ねた結果、
彼らはそれがビッグバン宇宙論の予言する宇宙初期の黒体放射の名残であると結論し、
その結果を二つの論文にして
西暦1965年に発表した。
これによって定常宇宙論が廃れてビッグバン宇宙論が確立した。
定常宇宙論では宇宙は始まりも終わりもなく常に同じ姿をしているので、
宇宙初期という概念はなく、
宇宙を満たす黒体放射もないからである。
ペンジアスとウィルソンが発見した放射は現在では宇宙マイクロ波背景放射(CMBと略称されることも多い)と呼ばれている。
CMBを発見したペンジアスとウィルソンは
西暦1978年にノーベル物理学賞を受賞した。
またディッケらとともにこの放射の温度を推定したピーブルスは、
その後ビッグバン宇宙論を物理学に基づいて体系化した功績により
西暦2019年のノーベル物理学賞を受賞した。
微惑星(びわくせい)
微惑星(びわくせい) 英語:planetesimal
微惑星という用語の定義には研究者によってややばらつきがある。
小惑星や彗星のような
太陽系形成期以来生き残っている天体全てを指す一般的用語として用いる場合もある一方で、
直径10km程度の天体に限定して用いる場合もある。
惑星を形成する材料となった、直径1-10 kmの天体のこと。
太陽系形成論の標準シナリオでは、
原始太陽系星雲中にただようダストが
太陽重力の鉛直成分に引かれて
太陽の周りを公転しながら徐々に星雲の赤道面に沈殿して薄いダスト層を形成し、
ダスト層の密度が十分高くなると重力不安定を起こして分裂し、
微惑星が形成される。
微惑星が相互重力による衝突合体を繰り返して
惑星が形成されたと考えられる。
しかし、原始太陽系星雲中に何らかの原因で乱流があるなどしてダストの沈殿が妨げられると、
重力不安定が起きるほど高密度のダスト層が形成されない。
このため
微惑星はダスト層の重力不安定を経ず、
ダスト同士の直接衝突合体を繰り返して形成されたという考えもある。
このように
微惑星の形成過程は、
まだわからないことが多い。
惑星(planet) 古い表現:
遊星、
游星、
行星
惑星とは、
恒星の周りを回る天体のうち、
比較的低質量のものをいう。
正確には、
褐色矮星の理論的下限質量(
木星質量の十数倍程度)よりも質量の低いものを指す。
英語「planet」の語源はギリシャ語の『プラネテス』(「さまよう者」「放浪者」などの意)。
宇宙のスケールから見れば
惑星が全体に影響を与える事はほとんど無く、
宇宙形成論からすれば考慮の必要はほとんど無い。
だが、
天体の中では非常に多種多様で複雑なものである。
そのため、
天文学だけでなく地質学・化学・生物学などの学問分野では重要な対象となっている。
便宜的に
木星質量の13倍以下を
惑星、
13-75倍程度のものを褐色矮星、
75倍以上のものを恒星とする見方がある。
惑星・遊星という呼称の由来
-
漢字の「惑星」という呼称は、
長崎のオランダ通詞・本木良永が西暦1792年(寛政4年)、
コペルニクスの地動説を翻訳する際に初めて用いた造語である。
天球上の一点に留まらずうろうろと位置を変えるようすを「惑う星」と表現したことから来たと言われている。
惑星は、
古くは遊星とも言った。
「遊星」と「惑星」はともに江戸時代にまでさかのぼる言葉であり(ただし古い例では「游星」となっている)、
他に「行星」の表記も使われた