小窓
彦五瀬命

作成日:2023/7/13

彦五瀬命(ひこいつせのみこと)  鸕鶿草葺不合尊の第1子、神武天皇鸕鶿草葺不合尊の第4子)の長兄。

日本書紀』では「彦五瀬命」や「五瀬命(いつせのみこと)」、 『古事記』では「五瀬命」と表記される。

日本書紀』・『古事記』によると、 鸕鶿草葺不合尊と、 海神の娘の玉依姫(たまよりびめ)との間に生まれた長男である。 弟に稻飯命・三毛入野命・神日本磐余彦尊(神武天皇)がいる。

彦五瀬命は弟たちとともに東征に従軍したが、 浪速国の白肩津(あるいは孔舎衛坂)での長髄彦との交戦中に長髄彦の放った矢に当たった。 彦五瀬命は「我々は日の神の御子だから、日に向かって(東に向かって)戦うのは良くない。廻り込んで日を背にして(西に向かって)戦おう」と助言し、 一行は南へ廻り込んだ。

しかし紀国の男之水門に着いた所で、 彦五瀬命の射られた傷が悪化した。
この時に彦五瀬命が「賊に傷つけられて死ぬとは」と雄叫びしたので、 その地は「雄水門(おのみなと、男之水門)」と言うとする。

その後『日本書紀』によると紀国竈山(かまやま)で亡くなり、 竈山(かまやま)に墓が築かれたという。
ただし『古事記』では紀国男之水門で亡くなったとする。