小窓
吾平津媛

作成日:2023/4/10

吾平津媛 /《記》阿比良比売(あひらつひめ) 生没年不詳

記紀』にみえる神武天皇の妃。

日本書紀』によれば、 日向国吾田邑(あたのむら)の人である。 神武天皇(当時太子)が神武東征を行う前、日向にいた時に妃になり、 手研耳命を生んだ。

古事記』では阿比良比売(あひらひめ)と記される。 多芸志美美命(手研耳命)、 岐須美美命(きすみみのみこと)、 神八井耳命を生んだ。

記紀』には両親についての記載はない。

古事記(中巻 神武天皇段)』によれば、 「阿多之小椅君」の妹。 同じく『古事記』には火照の子孫に「隼人阿多君」がある。 なお、『古代豪族系図集覧』によれば、兄に阿多小橋君の祖の天曽利がいる。
上述「阿多之小椅君」は、『日本書紀』に火闌降の子孫としてみえる「吾田君小橋」と同一と思われる。 そのため、同じく『日本書紀』に火闌降の子孫としてみえる隼人との関連が指摘される。

『古代豪族系図集覧』では、 吾平津媛を火闌降の娘としており、 それに従えば、 神武天皇と吾平津媛とはいとこ違いの関係になる。