小窓
古事記伝(こじきでん、ふることふみのつたえ)

作成日:2023/6/4

『古事記伝』(こじきでん、ふることふみのつたえ)

江戸時代の国学者・本居宣長の『古事記』全編にわたる註釈書、 全44巻である。 『記伝』と略される。

西暦1764年明和元年)に起稿し、 西暦1798年寛政10年)に脱稿した。 版本としての刊行は西暦1790年寛政2年)から本居宣長没後の西暦1822年文政5年)にかけてである。

医学の修行のために上洛していた本居宣長は、 西暦1756年宝暦6年)、 27歳の時に店頭で『先代旧事本紀』とともに『古事記』の巻を購入した。
この頃、本居宣長は『日本書紀』を読んでおり、 賀茂真淵の論考に出会って日本の古道を学び始める。

本居宣長が本格的に『古事記』研究に進むことを決意したのは、 西暦1763年宝暦13年)の、 私淑する賀茂真淵と「松坂の一夜」ではじめて直接教えを受けた頃である。

その翌年、西暦1764年宝暦14年)から『古事記伝』を起筆し、 間に『玉勝間』や『うひ山ぶみ』などの執筆も挟んで西暦1798年寛政10年)まで35年かけて成立した。