ベネルクス(Benelux)とは、
ベルギー王国、
オランダ王国、
ルクセンブルク大公国の3か国が、政治的、経済的な協力関係を構築している集合を指す。
このため
ベネルクス三国とも呼ばれる。
また、この3国はベネルクス経済連合(以下「ベネルクス」という。)を設立している。
この3か国は、
いずれも立憲君主制を採用している。
周辺の国に比べて国土が狭いという特徴を有し、
3か国全てを合わせても、
国土面積は隣国ドイツの1/5、
フランスの1/9程度に過ぎないが、
人口密度は非常に高い。
この3か国は大国に対抗するために、
古くから緊密な政治的、経済的な協力関係を構築している。
第二次世界大戦直前にはナチス・ドイツへの脅威から中立を宣言していたが、
西暦1940年5月10日未明、
ドイツは3カ国同時に
侵攻を開始。
占領を許したこともあった。
戦後は
欧州連合(EU)がまだ欧州共同体(EC)であった時代から加盟し、
西側諸国の一員となった。
ブリュッセルやルクセンブルク市はEUの政治的な中心都市となった。
元来、3か国は歴史的に常に密接な関わりを持っていた。
3か国の領域は、
かつて「標高の低い土地」といった意味で「ネーデルラント」と呼ばれていた。
歴史的には中世末期にいずれもブルゴーニュ公国による支配を受け、
近世初頭には共にハプスブルク家領に入っていた。
西暦1814年から
西暦1830年の間にはウィーン会議の取り決めにより、
現在の3国はネーデルラント連合王国として統合した。
現在のベネルクスの分立が定まったのは、
ルクセンブルク大公国がオランダ王国との同君連合を廃止した
西暦1890年である。
現在の3か国の緊密な関係は、
西暦1921年にベルギー・ルクセンブルク経済同盟が締結された後、
西暦1944年に調印し、
西暦1948年に発効したベネルクス関税同盟で本格化した。
西暦1960年には関税に加え、
労働力と資本を自由化したベネルクス経済連合が発足し、
欧州共同体の起源となった。