小窓
航空機事故詳細

作成日:2025/6/9

事故発生日:西暦1933年4月4日
便名:----
機種:アクロン(USS Akron, ZRS-4)
死者:72人(生存者3人)
状況:アクロン (USS Akron, ZRS-4) は、 西暦1930年代にアメリカ海軍が運用した硬式飛行船である。 船名は、建造を担当したグッドイヤー社の本社が存在する都市名(オハイオ州アクロン)に因む。 西暦1933年4月4日12時30分頃、 ニューイングランド沖合にて突風に巻き込まれて墜落し、 生存者3名のみで乗員73名が死亡する事故となり、 これは飛行船史上最悪の死亡事故となった。 天候を無視した過酷な訓練が原因とされる。 この墜落事故によって同乗していたウィリアム・A・モフェット海軍少将(“アメリカ海軍航空隊の父”と呼ばれる人物だった)も殉職した。 生存者4名は現場に居合わせたドイツの船により救出されたが、 そのうち1名は後日亡くなった。 死亡者が多数であった原因には、 任務上、洋上長時間飛行が前提であったにもかかわらず、 乗組員用の救命胴衣を搭載していなかったこと、 救命いかだも1艘しか装備されておらず、 またそれを使用する時間の余裕がなかったことが大きいとされる。
アクロン号の後、 西暦1935年にメイコン号も墜落事故を起こし、 アメリカ海軍が所有していた大型硬式飛行船の機体は西暦1932年に退役済みのロサンゼルス (ZR-3) を除いてすべて失われている。 ヒンデンブルク号爆発事故も重なり、 硬式飛行船の建造は行われることは無くなった。
その後、アクロン号の教訓からアメリカ海軍とグッドイヤー社は骨格を持たない小型の軟式飛行船の増産に着手する。 それらは主に沿岸での対潜哨戒任務に用いられ、 第二次世界大戦中を通じて160機以上が運用された。
アクロン号の残骸は西暦2003年にNR-1により撮影されているが、深深度にあり、 現場の透明度が低いためガーダーを撮影するにとどまっている。