小窓
延喜式神名帳(えんぎしき じんみょうちょう)

作成日:2023/3/26

延喜式神名帳(えんぎしき じんみょうちょう)は、 西暦927年延長5年)にまとめられた『延喜式』の巻九・十のことで、 当時「官社」に指定されていた全国の神社一覧である。

『延喜式神名帳』に記載された神社、 および現代におけるその論社を「延喜式の内に記載された神社」の意味で延喜式内社、 または単に式内社(しきないしゃ)、 式社(しきしゃ)といい、 一種の社格となっている。
本来「神名帳」とは、 古代律令制における神祇官が作成した官社の一覧表を指し、 官社帳ともいう。

『延喜式神名帳』には、 国・郡別に神社が羅列され、 官幣・国幣の別、大社・小社の別と座数、 幣帛を受ける祭祀の別を明記するのみで、 各式内社の祭神名や由緒などの記載はない。
『延喜式神名帳』に記載された神社(式内社)は全国で2861社で、 そこに鎮座する神の数は3132座である。

式内社は、 『延喜式』が成立した10世紀初頭には朝廷から官社として認識されていた神社で、 その選定の背景には政治色が強くみえる。
当時すでに存在したが『延喜式神名帳』に記載がない神社を式外社(しきげしゃ)という。
式外社には、朝廷の勢力範囲外の神社や、 独自の勢力を持った神社、また、 神仏習合により仏を祀る寺となった神社、 僧侶が管理した神社、 正式な社殿がなかった神社などが含まれる。
式外社だが六国史に記載がある神社を特に国史現在社(国史見在社とも)と呼ぶ。