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航空機事故詳細

作成日:2025/6/14

事故発生日:西暦1961年5月30日
便名:ビアサ 897便(機体記号:PH-DCL)
機種:ダグラス DC-8-53
死者:乗員14人乗客47人、合計61人全員が死亡。
状況:ビアサ897便墜落事故は、 西暦1961年5月30日に発生した航空事故である。 ウンベルト・デルガード空港からサンタマリア空港(アゾレス諸島)へ向かっていたビアサ897便(ダグラス DC-8-53)がポルトガル沖の大西洋に墜落し、 乗員乗客61人全員が死亡した。 事故当時この事故は大型ジェット旅客機による3件目の旅客死亡事故であった。 また、1977年にTAP ポルトガル航空425便墜落事故が発生するまでポルトガル最悪の航空事故であった。
897便はローマを出発し、 マドリード、リスボン、サンタマリア島を経由してカラカスへと向かうチャーター便で、 0時06分にリスボンに到着した。 乗務員の交代とKLMオランダ航空の整備員による同機の点検の後、 897便は滑走路23からの離陸を許可された。 897便は乗員14人・乗客47人(うち子供8人)を乗せて1時15分に小雨の中離陸し、 サンタマリア島へと向かった。 1時18分に雲底が3,700フィートであることが伝えられ、 897便は周波数をリスボンの管制の周波数に変更した。 1時19分25秒、同機はリスボンの管制にカピラカのLS無線標識を通過し、 FL60(6,000フィート)まで上昇すると報告した。 その後早口で部分的にしか聞き取れない2文が同機から聞こえ、 897便との交信が途絶えた。 897便はこの最後の交信の間に左にスパイラル・ダイブし、 約20秒で左に90度まで傾きその15秒後に海面に墜落した。 墜落前の15秒間に過剰に右に姿勢が修正されていた。 右に30度傾き、 約25度のピッチ角で機首下げの姿勢で墜落したと推測されている。 ...
事故原因はポルトガルオランダのいずれの当局によっても解明されなかった。 ポルトガルの公式の事故調査報告書は
多くの当局や専門家の協力を得て非常に時間をかけて調査を行ったが、 事故原因を特定することはできなかった

と結論付けている。

事故機の登録されていたオランダ
直接的な証拠はないが、事故調査委員会は897便が航空計器、 特に姿勢指示器の故障によってパイロットが計器を誤読した、 あるいはそれにパイロットが気を取られ、 通常の飛行経路から大幅に逸脱したためと墜落したと考えている。

とコメントしている。