先史時代(せんしじだい) 英語:prehistoric Times
先史時代は、「
歴史時代(有史時代)」以前の歴史の時代区分に当たり、
文字を使用する前の人類の歴史である。
西暦1838年に、
スウェーデンのスヴェン・ニルソンが著した『Skandinaviska Nordens Urivanare,Lund (北欧スカンディナヴィアの原住民)』において、
用語「forhistoria (先史)」を用い、
西暦1851年にダニエル・ウィルソンが、
著作『The Archaeology and Prehistoric Annals of Scotland (
スコットランドの考古学と先史時代の年代)』で英語圏に紹介し、
西暦1865年にジョン・ラボックが『Pre-historic Times (先史時代)』を発表して以来、
英語の単語として「prehistoric」が広く使われた。
先史時代の対象範囲は、
定義に忠実ならば地球誕生(
ビッグバン)以来の時間範囲が該当する。
しかし、一般的には地球上で生命誕生が起こってからの時代が取扱われ、
特に人類が出現してから以降と捉えられることが多い。
「先史時代」と「歴史時代」を明瞭に区別する基準は、
その時期に記された文献の存在有無による。
文字が初めて用いられたのは地域によって異なるが青銅器時代後期から鉄器時代中期の頃と分析されており、
この時期から地域的な有史時代が始まる。
しかし、先史時代と有史時代との間には神話や伝承など口述記録が伝える「原史時代」または「中間時代」 (Intermediate Age) も置かれる。
そのため、歴史家は文字記録だけに頼らず、
考古学に代表される自然科学や社会学的分析を取り入れて、
太古の歴史に対する解析を行う。