小窓
宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)

作成日:2023/7/14

宇摩志阿斯訶備比古遅神
うましあしかびひこぢのかみ
先代 神産巣日神
次代 天之常立神
神祇 天津神
別名 可美葦牙彦舅尊
神階 なし
神格 不明
なし
なし
宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)  別天津神 第4代の神。

古事記』では宇摩志阿斯訶備比古遅神、 『日本書紀』では可美葦牙彦舅尊と表記するが、 『日本書紀』本文には書かれていない。

古事記』では、 造化三神が現れた後、まだ地上世界が水に浮かぶ脂のようで、 クラゲのように混沌と漂っていたときに、 葦が芽を吹くように萌え伸びるものによって成った神としている。 すなわち4番目の神である。 第2・第3の一書では最初に現れた神、第6の一書では天常立尊に次ぐ2番目に現れた神としている。 独神であり、すぐに身を隠したとあるだけで事績は書かれておらず、これ以降、日本神話には登場しない。

「ヒコヂ」は男性を表す語句である。 「コヒジ」(泥)の文字顚倒という説もある。

出雲大社(島根県出雲市)本殿御客座、 浮嶋神社(愛媛県東温市)などに祀られている。 『古事記』には表記されていないが、 『日本書紀』の一書には、 「泥(ひぢ)の中に生(おおい)でるがごとし。すなわち人(かみ)と化成(な)る」とあり、 人を神と訓読みさせている。

谷川健一によれば、 最初は「ひとつの物」であったものが、 人の形を備えた時、 カミと呼ばれることになり、 それにふさわしい名前が与えられたものとする。