小窓
小窓集(時代区分)

作成日:2024/2/20

時代区分

時代区分

先史時代

先史時代(せんしじだい) 英語:prehistoric Times

先史時代は、「歴史時代(有史時代)」以前の歴史の時代区分に当たり、 文字を使用する前の人類の歴史である。 西暦1838年に、 スウェーデンのスヴェン・ニルソンが著した『Skandinaviska Nordens Urivanare,Lund (北欧スカンディナヴィアの原住民)』において、 用語「forhistoria (先史)」を用い、 西暦1851年にダニエル・ウィルソンが、 著作『The Archaeology and Prehistoric Annals of Scotland (スコットランドの考古学と先史時代の年代)』で英語圏に紹介し、 西暦1865年にジョン・ラボックが『Pre-historic Times (先史時代)』を発表して以来、 英語の単語として「prehistoric」が広く使われた。

先史時代の対象範囲は、 定義に忠実ならば地球誕生(ビッグバン)以来の時間範囲が該当する。
しかし、一般的には地球上で生命誕生が起こってからの時代が取扱われ、 特に人類が出現してから以降と捉えられることが多い。

「先史時代」と「歴史時代」を明瞭に区別する基準は、 その時期に記された文献の存在有無による。 文字が初めて用いられたのは地域によって異なるが青銅器時代後期から鉄器時代中期の頃と分析されており、 この時期から地域的な有史時代が始まる。

しかし、先史時代と有史時代との間には神話や伝承など口述記録が伝える「原史時代」または「中間時代」 (Intermediate Age) も置かれる。 そのため、歴史家は文字記録だけに頼らず、 考古学に代表される自然科学や社会学的分析を取り入れて、 太古の歴史に対する解析を行う。

原史時代

原史時代(げんしじだい)  英語:Protohistory)

先史時代歴史時代の中間にあたる過渡期を、原史時代という。 すなわち、文献や伝承が断片的に存在し、 遺物や遺跡によってある程度その民族や国家の様相を知りうる時代のことである。
日本では原史時代の時期を、 古墳時代とする説、 古墳時代から第33代推古天皇時代以前とする説などがある。

原史時代とは、 先史時代と歴史時代の中間にあたる過渡期であり、 同時代における文献・伝承が断片的にまたは痕跡的に存在するが、 それのみで当該時期における人類の過去を十分に知ることが不可能な時代をいう。
日本語における同音の原始時代と混同されやすいが別物である。

日本では古墳時代(特に中国の歴史文献における記述がなく、 ヤマト王権の成立過程などが把握しづらい前期「空白の4世紀」)がこれに該当するとされ、 初期古代国家・日本文化発端期にあたる弥生時代も含まれるとする説もある。 ただし、文献の遺存の有無や多少に基づいて時代区分を行う考え方には批判もあり、 研究者の間でもこの呼称の使用に関しては意見が分かれている。

「歴史」を人類史と同一視する学説では、先史・原史・歴史という時代区分そのものを認めない。

地質時代

地質時代(ちしつじだい) 英語: Geologic time scale / Geological age

約46億年前の地球の誕生から現在までの内、 記録の残っている直近数千年の時代を有史時代(歴史時代)と呼ぶ。
それに対し地質時代とは、 その有史時代より古い時代を指し、 地質学的な手法でしか研究できない時代の事である。

歴史の本来の意味は、 文字で記録された人類に関わる過去の出来事の事であり、 文字で記録されていないさらに時を遡る人類に関わる時代は先史時代と呼ばれている。

地質時代における各時代区分は「地質年代」とも呼ばれ、また地質年代地質時代と同義にも扱われる。

地球の年齢46億年超の内で、 有史時代(数千年間)は約100万分の1であり、 地球の年齢の99.9999%は地質時代である。 前述の地質時代の定義から、 地質時代は地球の年齢から有史時代を除いた部分であるが、 現実には有史時代の長さは地質時代における誤差範囲よりはるかに小さく、 有史時代(現在を含む)は新生代/第四紀/完新世/メーガーラヤンに含まれる。

歴史時代(れきしじだい)/ 有史時代(ゆうしじだい)

歴史時代(れきしじだい)/ 有史時代(ゆうしじだい)

歴史時代または有史時代とは、歴史における時代区分の1つ。 一般的には、文字が成立し、文献資料によって歴史事象を検証することが可能な時代を指す。 それ以前は先史時代という。

文字文化の進展の度合いが地域によりまちまちであるため、 世界統一の暦年代や絶対年代で示される用語ではない。 また、インカ帝国にみられるように、 文字文化のみられなかったところでも天文学や建築技術など他の分野が高度に発達した例もみられ、 また結縄のような文字によらないコミュニケーション・記録方法もあることから、 必ずしも文字資料の有無で時代を区切るべきでないという考え方もある。

日本列島がいつから文字文化をもつようになり、 文字社会に入ったかについては、 多くの議論のあるところである。 現段階では、 おおむね古墳時代(3世紀中頃から)が日本の先史時代と歴史時代の境をなすとみなすことができる。 ただし、文字資料そのものは弥生土器に漢字が墨書・刻書されている例があり、 日本に関する記録としては、 紀元前1世紀の中国の史書『漢書』「地理志」などがある。

人類史としては、初めて文字が発明されたのは約6,000年前である。

歴史時代は、 歴史学(文献史学)からのアプローチと考古学からのアプローチとの双方が可能であるが、 先史時代については考古学的アプローチが唯一の検証方法となる。 また、歴史時代では、 文献資料と考古資料とを照合し、分析し、 検討を加えることによって遺構や遺物、 ないしは遺跡の暦年代が明らかになることもまれではない。