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国際単位系

作成日:2024/4/21

国際単位系

国際単位系  英語:International System of Units
       仏語:Système International d'unités  略称:SI

国際単位系は、 メートル法の後継として国際的に定められ、 世界中で広く使用されている単位系である。

メートル条約に基づきメートル法のなかで広く使用されていたMKS単位系を拡張したもので、 西暦1948年の第9回国際度量衡総会 (CGPM) で設立が決定され、 西暦1960年の第11回国際度量衡総会 (CGPM) で採択された。

国際単位系(SI)は、 これをより拡張した一貫性のある単位系である。 国際単位系(SI)は西暦1948年の第9回国際度量衡総会 (CGPM) で設立が決定され、 1960年の第11回国際度量衡総会 (CGPM) でその包括的な規定が確立された。 国際単位系(SI)について、 準拠すべき最新の公式国際文書は、 西暦2019年に発行された第9版 (2019) である。

略称の「SI」はフランス語の「Système International d'unités」に由来する。
これはメートル法がフランスの発案であったという歴史的経緯があること、 及びメートル条約・国際度量衡委員会(CIPM)・国際度量衡局(BIPM)の公用語がフランス語であるという事情による。

メートル条約

メートル条約  仏語:Convention du Mètre

メートル条約は、 度量衡の国際的な統一を目的として、 西暦1875年5月20日に成立したメートル法に関する条約である。 14か条の条約本文と附録規定から成る。 当時、17か国の代表によりフランス・パリで締結された。

この西暦1875年5月20日は、 日付と時刻の国際規格であるISO 8601(及びJIS X 0301)において、 年月日の起点の定義として用いられている(ISO 8601#起点)。

条約に基づき、 国際的な計測学とメートル法の発展の調整のための研究所と、 研究所の運営を監督するための組織を設立した。 当初、メートル条約は質量と長さの単位のみを対象としていた。

しかし、 西暦1921年の第6回国際度量衡総会(CGPM)により、 すべての物理単位を対象とするように方針が改められ、 同年10月6日にセーヴルで改正条約に署名された。

西暦1960年の第11回国際度量衡総会で、 メートル条約により確立した単位系は精査され、 「国際単位系(SI)」として再始動した。

メートル法

メートル法  仏語:systeme metrique  英語:metric system

メートル法とは、 長さの単位であるメートル(仏語:metre)と質量の単位であるキログラム(仏語:kilogramme)を基準とする、 十進法による単位系のことである。
これを洗練したものが国際単位系(SI)であり、 現在はほぼ世界中で運用されている。

メートル法は、 18世紀末のフランスにおいて、 世界で共通に使える統一された単位制度の確立を目指して制定された。 当時の世界には同じ物理量に対して様々な単位があり、 しかも同じ単位系の中でも、 複雑な換算を必要とする単位が併用されているものもあった。 人間の行動範囲が狭い間は、 その地域だけで単位が統一されていれば良かったが、 人間の行動範囲が広くなり、 グローバリゼーションが進展すると、 単位の不統一が大きな問題となってきた。

そこで、 フランス革命後の西暦1790年3月に、 国民議会議員であるタレーラン=ペリゴールの提案によって、 世界中に様々ある長さの単位を統一し、 新しい単位を創設することが決議された。 それを受けて西暦1791年に、 地球の北極点から赤道までの子午線弧長の「1000万分の1」として定義される、 新たな長さの単位「メートル」が決定された。

この時の測量はダンケルクからバルセロナの距離を経線に沿って三角測量で測定し、 その値を元にして計算が行われた。 質量も、このメートルを基準として、 1立方デシメートルの水の質量を1キログラムと定めた。 他に、 面積の単位としてアール(are, 100平方メートル)、 体積の単位として乾量用のステール(stere, 1立方メートル)と液量用のリットル(litre, 1立方デシメートル)を定めた。

MKS単位系

MKS単位系とは、 長さの単位メートル(metre; m)・質量の単位キログラム(kilogram; kg)・時間の単位秒(second; s)を基本単位とする、 一貫性のある単位系である。

メートル法は、 単位名称はメートル・グラム・秒を基準にしており、 原器はメートル・キログラムを基準としているが、 単位系の基礎となる基本単位は、 理論上はそれらと無関係に決めることができる。 MKS単位系はそうして選ばれた単位系の1つで、 他に、 もう1つの有力な単位系としてCGS単位系(C: centimetre G: gram S: second)、 マイナーな単位系としてMTS単位系(M: metre T: ton S:second)があった。

厳密には、MKS単位系は力学の単位のみを含む。 電磁気学を扱うには、 電流の単位アンペア(ampere; A)を基本単位に加えたMKSA単位系とする。 しかし、MKSA単位系を含め、広い意味でMKS単位系ということもある。 MKSAにさらに3つの基本単位を加えたのが国際単位系 (SI) である。 MKSは国際単位系(SI)の部分集合であり、 国際単位系(SI)のうち力学の単位はMKSと共通である。

SI基本単位

SI基本単位 仏語:fr:unités de base du Système international
      英語:base units of the SI 又はSI base units

SI基本単位とは、 国際単位系(SI)において、基本単位として位置付けられている7つのSI単位である。これらは国際量体系(ISQ)において基本量として位置付けられている7つの物理量に対する単位である。

SI基本単位は、 SIの前身であるメートル法において、 物理量に対して複数ある単位・度量衡を統一することを目的として選ばれた。 すなわち、 一つの物理量を表現する単位は一つとすることを目的とする。

SI基本単位
物理量名称記号
長さ メートル m
質量 キログラム kg
時間 s
電流 アンペア A
熱力学温度 ケルビン K
物質量 モル mol
光度 カンデラ cd

メートル

メートル 仏語:metre 英語:metre 米語:meter  記号:m

メートルは、 国際単位系 (SI) およびMKS単位系における長さの計量単位である。

他の量とは関係せず完全に独立して与えられる7つのSI基本単位の一つである。

元々は、 「地球の赤道と北極点の間の海抜ゼロにおける子午線弧長を 1/10,000,000 倍した長さ」を意図し、 計量学の技術発展を反映して何度か更新された。

西暦1983年昭和58年)に基準が見直され、 現在は「1秒の 299,792,458 分の1の時間に光が真空中を伝わる長さ」として定義されている。

なお、CGS単位系ではセンチメートル (cm) が基本単位となる。

キログラム

キログラム 仏語:kilogramme 英語:kilogram 米語:kilogram  記号:kg

キログラムは、 国際単位系 (SI) における質量の基本単位である。
基本単位にSI接頭語 (k) がついているのはキログラムだけである。

現在、kg はプランク定数によって定義されている(?????)。

グラム(gram)はキログラムの1000分の1と定義される。 またメートル系トン(metric ton)はキログラムの1000倍(1メガグラム)に等しいと定義される。

単位の「k」は小文字で書き、大文字で「Kg」とは表記しない。

「キロ#小文字を使う理由」を参照

 仏語: seconde 英語:second  記号:s

は、 国際単位系 (SI) における時間の単位である。
他の量とは関係せず完全に独立して与えられる7つのSI基本単位の一つである。
秒の単位記号は、「s」であり、「sec」などとしてはならない(秒#表記)。

」は、 歴史的には地球の自転の周期の長さ、 すなわち「一日の長さ」(LOD)を基に定義されていた。
すなわち、LODを24分割した太陽時を60分割して「分」、 さらにこれを60分割して「秒」が決められ、 結果としてLODの86400分の1が「秒」と定義されてきた。
しかしながら、 19世紀から20世紀にかけての天文学的観測から、 LODには10-8程度の変動があることが判明し、 時間の定義にはそぐわないと判断された。 そのため、地球の公転周期に基づく定義を経て、 西暦1967年に、 原子核が持つ普遍的な現象を利用したセシウム原子時計が秒の定義として採用された。

なお、1秒は偶然にも人間の標準的な心臓拍動の間隔に近い。

アンペア

アンペア 英語:ampere  記号:A

アンペアは、 電流(量の記号は I または i [1])の計量単位であり、電気の流れる量の大小を表す。

国際単位系(SI)における7つのSI基本単位の一つである。
アンペアという名称は、 電流と磁場との関係を示した「アンペールの法則」に名を残すフランスの物理学者、 アンドレ=マリ・アンペール(Andre-Marie Ampere)に因んでいる。

SIで定められた単位記号は" A "であるが、 英語圏では amp と略記されることがある。

なお、起磁力(量記号: F , Fm )や磁位差(量記号: Um )の単位も同じ「アンペア」という名称であるが、 これは電流の単位アンペアから組み立てられた組立単位であり、定義が異なる。

ケルビン

ケルビン 英語:kelvin  記号:K

ケルビンは、 熱力学温度(絶対温度)の単位である。
国際単位系 (SI) における7個のSI基本単位の一つである。

ケルビンの名は、 イギリスの物理学者で、 絶対温度目盛りの必要性を説いたケルビン卿ウィリアム・トムソンにちなんで付けられた。
なお、ケルビン卿の通称は彼が研究生活を送ったグラスゴーにあるケルビン川から取られている。

モル

モル 仏語:mole 英語:mole /m??l/  記号:mol

モルは、 国際単位系 (SI) における物質量の単位である。
西暦1971年の第14回国際度量衡総会(CGPM)の決議によって、 国際単位系の基本単位として導入された[3]。

名称は仏語・英語ともに、mole であり、 日本語名称は「モル」である。
これはドイツ語のMolekul(仏語ではmolecule、英語では molecule。ともに 「分子」 の意)に由来する。

モルを表す単位記号は、mol である。
これはもともとはドイツ人の化学者ヴィルヘルム・オストヴァルトによるもので、 西暦1971年の第14回国際度量衡総会(CGPM)の決議によって決定された。

カンデラ

カンデラ(ラテン語:candela  記号:cd

カンデラは、 国際単位系 (SI) における光度の単位であり、 SI基本単位の一つである。
カンデラは ルクス×距離2 で求めることが出来る。

光度とは、 点状の光源から特定の方向へ放射される単位立体角あたりの光の明るさである。
光度は放射強度に似ているが、 光源のスペクトル中の全ての波長の寄与を単純に合計するのではなく、 それぞれの波長について標準的な比視感度(異なる波長に対する人間の目の感度のモデル)によって重みづけする。

一般的な蝋燭(ろうそく)は、約1カンデラの光度で光を発する。

カンデラという言葉は、「獣脂蝋燭(じゅうしろうそく)」という意味のラテン語に由来し、 カンテラやキャンドル(蝋燭)と同一語源である。 人名に由来するものではないので、 単位記号の1文字目は大文字では書かない。

SI組立単位 385

SI組立単位
組立量単位の名称単位の記号SI基本単位による表現他のSI単位による表現
平面角 ラジアン rad rad=m/m
立体角 ステラジアン sr sr=m2/m2
周波数 ヘルツ Hz Hz=s-1
力(ちから) ニュートン N N=m*kg*s-1
圧力、応力 パスカル Pa Pa=m-1*kg*s-2() Pa=N/m-2
エネルギー、仕事、熱量 ジュール J J=m2*kg*s-2 J=N*m
仕事量 ワット W W=m2*kg*s-3 W=J/s
電荷、電気量 クーロン C C=A*s
電位、電圧 ボルト V V=kg*m2*s-3*A-1 V=W*A-1
静電容量 ファラド F F=kg-1*m-2*s4*A2 F=C/V
電気抵抗 オーム Ω Ω=kg*m2*s-3*A-2 Ω=V/A
コンダクタンス ジーメンス S S=kg-1*m-2*s3*A2 S=A/V
磁束 ウェーバ Wb Wb=kg*m2*s-2*A-1 Wb=V*s
磁束密度 テスラ T T=kg*s-2*A-1 T=Wb/m-2
インダクタンス ヘンリー H H=kg*m2*s-2*A-2 H=Wb/A
セルシウス温度 セルシウス度 ℃=K
光束 ルーメン lm lm = cd*sr lm = cd*sr
照度 ルクス lx lx=cd*sr*m-2 lx=lm/m2
放射能 ベクレル Bq Bq=s-1
吸収線量 グレイ Gy Gy=m2*s-2 Gy=J/kg
線量当量 シーベルト Sv Sv=m2*s-2 Sv=J/kg

ラジアン

ラジアン  英語:radian 記号:rad

ラジアンは、 国際単位系(SI)における角度(平面角)の単位であり、 SI組立単位の一つである。
円周上でその円の半径と同じ長さの弧を切り取る2本の半径が成す角の値と定義される。 弧度(こど)とも言い、 平面角の大きさをラジアンで測ることを弧度法と呼ぶ。 あるいはラジアンで測った平面角を弧度法の角という呼び方をすることもある。
対して、 1周を360°とする単位は度数法という。
通常ラジアンの表記に記号(rad)は付けない。(例)360°= 2π

ラジアンは、立体角のステラジアンに対応するものである。

度とラジアンの換算表
030 45 60 90 120 135 150 180270 360
rad0π/6π/4π/3π/22π/33π/45π/6π 3π/2

ステラジアン

ステラジアン 英語:steradian  記号:sr

ステラジアンは、 国際単位系(SI)における立体角の単位であり、 SI組立単位の一つである。
二次元の平面角のラジアンに対応する。

立体角(ステラジアン)は、 球面上のある部分の面積に対し、球の中心からどの程度の広がりを持つか(中心に対する立体角)と定義される。
二次元の平面角であるラジアンを三次元に拡張したものである。
立体角(ステラジアン)の定義
  求める立体角:sr
  球の半径:r
  球面上のある部分の面積:s
sr = s / r2

ステラジアンの名称は、 西暦1875年くらいから使用されていたもので、 ギリシア語で立体という意味のstereos(ステレオの語源でもある)に由来する。 ステラジアンは、 西暦1960年の第11回国際度量衡総会 (CGPM) で採択された。 ラジアンとともに国際単位系(SI)の補助単位の一つとされていたが、 西暦1995年に補助単位は廃止され、 ステラジアンは次元 1 (= m2/m2)、 すなわち無次元のSI組立単位として分類されている。

ヘルツ

ヘルツ 英語:hertz  記号:Hz

ヘルツは、 国際単位系(SI)における周波数のSI組立単位である。 その名前は、 ドイツの物理学者で電磁気学の分野で重要な貢献をしたハインリヒ・ヘルツに因む。

1ヘルツは、「1秒間に1回の周波数」と定義される。
ヘルツとその記号 Hz はSI組立単位である s-1 に与えられた固有の名称と記号であるが、 一定周期で発生する現象にのみ使用される。 ランダムに発生するような現象についてはヘルツではなく s-1(毎秒)を使用する。 特に、1秒間に原子核が崩壊する数は、ベクレル (Bq) という単位で表される。

角速度・角周波数も s-1 の次元を持っているが、常に s-1 ではなく明示的な単位であるHz または rad/s(ラジアン毎秒)を用いて表現されることが推奨される。 回転数はヘルツで表現することができ、 60回転毎分 (rpm) = 1回転毎秒は1 Hzに等しい。 1回転は2πradなので、 角速度が2π rad/sの回転は1回転毎秒=1 Hzに等しい。 ...
用語(周波数と振動数)
英語の frequency の日本語訳としては、 周波数と振動数の2つの訳語があり得る。 しかし日本の計量法は、 計量の前提となる物象の状態の量(一般には物理量とみなして良い)として、 72量を定めているが、 この中では「周波数」の語のみを用いている。 また、国際単位系国際文書のSI組立単位の一覧表における hertz の物理量として仏語版のfrequence、 英語版のfrequencyを日本語版では、 「周波数」とのみ訳出している。 このため、 この項目では「周波数」の語のみを用い、 「振動数」の語を用いない。

歴史
ヘルツという単位名称は、 西暦1930年に国際電気標準会議で制定され、 西暦1960年に国際度量衡総会(CGPM)で、 それまでの単位名称「サイクル毎秒」を置き換えて採用された。

サイクル毎秒 (記号: c/s, cps) または略してサイクル(記号: c)という単位は、 日本では西暦1972年7月1日を以ってヘルツに変更された。 サイクル・サイクル毎秒は使用されなくなったが、 (旧)計量法には、 全面改正される西暦1997年9月30日まで残っていた。

ニュートン

ニュートン 英語:newton  記号:N

ニュートンは、 国際単位系(SI)における「1ニュートン」は、 1 kgの質量を持つ物体に1 m/s2の加速度を生じさせる力である。 名称は古典力学で有名なイギリスの物理学者アイザック・ニュートンに因む。

誤用であるが習慣的にトルクの単位であるニュートンメートルのメートルを省略し「ニュートン」という場合がある。

1ニュートンは、 1キログラムの質量をもつ物体に1メートル毎秒毎秒 (m/s2) の加速度を生じさせる力と定義される。 運動の第2法則はF = maとし、 Fが力、mが質量、aが加速度である。 単位で表すと以下のようになる:
F = m・a
1N = 1kg・m / s2

つまり、 物理単位で書き表すと N = kg・m/s2 (キログラムメートル毎秒毎秒)となる。

また、次元解析で F を力、M を質量、 L を長さ、T を時間とした場合の式:
F = ML / T2

...
名称
「ニュートン(newton)」の名称は、 西暦1904年4月に、 ブリストル大学のデビッド・ロバートソン (西暦1875年 - 西暦1941年) (en:David Robertson (engineer))が提唱したものである。

西暦1913年の第5回国際度量衡総会は、 ニュートンを力の単位として提案した。

西暦1946年、 国際度量衡委員会 (CIPM) において、 力の単位は1キログラムの質量に1 m/s2 の加速度を生じさせる力であるとの定義が決議された。

西暦1948年の第9回国際度量衡総会 (CGPM) は、 このMKS単位系における力に「ニュートン(newton)」の名称と記号「N」を与える決議を採択した。

人名に因む計量単位であるため、 単位記号は大文字・立体の「N」と表記される。 ただし英語で本単位の意味であるニュートンと書き出す場合は「newton」とする(国際単位系#単位の英語名称、一般的にアイザック・ニュートンを含め人名を示す場合は「Newton」とする)。

パスカル

パスカル 英語:pascal  記号:Pa

パスカルは、 圧力・応力の物理単位で、 国際単位系 (SI) における、 固有の名称と記号を持つ22個のSI組立単位の一つである。 定義より「ニュートン毎平方メートル」に等しい。

1パスカルは、 1平方メートル (m2) の面積につき1ニュートン (N) の力が作用する圧力または応力と定義されている。

単位の名称は、 流体力学・流体静力学への貢献と気圧計の実験で有名なブレーズ・パスカルに因むものである。 SI組立単位「ニュートン毎平方メートル(N/m2)」に対する固有の名称「パスカル」とその記号「Pa」は、 西暦1971年の第14回国際度量衡総会(CGPM)で採択された。

パスカルを、SI基本単位や他のSI組立単位で表すと、以下のようになる。
1 Pa = 1 N / m2 = 1 kg / m * s2
ここで、Nはニュートン、mはメートル、kgはキログラム、sは秒である。

気象学(天気予報や天気図など)では、 世界中で長い間にわたって気圧をミリバールで測定していた。
SIが導入された後も、 慣習的な圧力の数値がそのまま使われることが希望された。 そのため気象学では、 今日ではミリバールと同じ値になるヘクトパスカル (hPa) を使用している。
日本においては、 西暦1992年12月1日から、 ミリバールがヘクトパスカルに置き換えられた。
ちなみに、カナダとポルトガルではキロパスカル(kPa)を使用している。

ジュール

ジュール 英語:joule  記号:J

ジュールは、 エネルギー、仕事、熱量、電力の量の単位である。 ジュールの法則を発見したジェームズ・プレスコット・ジュールの名に因む。
1 ジュールは標準重力の下で 102.0 グラム(ほぼキウイフルーツまたはマンガン乾電池の質量)の物体を 1 メートル持ち上げる時の仕事量に相当する。

国際単位系 (SI) 及び日本の計量法におけるジュール J の定義は以下の通り。
1 ニュートンの力が、 その力の方向に物体を 1メートル動かすときの仕事量

ジュールSI組立単位であり、 N*m 又はSI基本単位を用いて kg * m2 * s-2 と表記される。

ジュールと形式的には同じ単位を力のモーメント(これはエネルギーではない)にも用いることができるが、 仕事やエネルギーの単位として「ニュートンメートル」を使用すると混乱を招くおそれがあるため注意が必要である。

ワット

ワット 英語:watt  記号:W

ワットとは、 仕事率や電力・放射束をあらわす国際単位系の単位(SI組立単位)である。 比較的目にする機会の多い電力の場合で説明すると、、 単位時間あたりの実際に消費される電気エネルギーの大小を表し、 値が大きいほど単位時間あたりに電力を多く消費する。

ワットという名称は、 蒸気機関の発展に大いに貢献したスコットランド人のジェームズ・ワット (James Watt) にちなんで名づけられた。 西暦1889年の、 英国学術協会第2回総会で採用された。 ワットは固有の名称を持つ単位の一つで、 1ワットは毎秒1ジュールに等しいエネルギーを生じさせる仕事率と定義され、 SI組立単位で表すと、 ジュール毎秒 (J/s)である。
すなわち、 1秒あたりに変換・使用・消費されているエネルギー(仕事)を表す。 ジュールがT-2 L2 Mの次元なので、 ワットはT-3 L2 Mの次元となる。 SI基本単位のみによって表すと、 ジュールは、kg*m2*s-2なので、 ワットはkg*m2*s-3になる。

クーロン

クーロン 英語:coulomb  記号:C

クーロンは、 国際単位系(SI)における一貫性のある電荷の単位である。 クーロンという名称はフランスの物理学者シャルル・ド・クーロンに因んで名付けられた。

現行の国際単位系(SI)では、 7つの物理定数の数値を固定することでSIを定義し、 すべてのSI単位が定義定数から直接に構成される。 一貫性のある電荷のSI単位であるクーロン(記号: C)は電気素量 e により
C = e / 1.602 176 634 × 10-19

として構成される。

大きさの目安として、1回の落雷の電荷は、約1 Cといわれている。

ボルト

ボルト 英語:volt  記号:V

ボルトは、電圧・電位差・起電力の単位であり、 電気を押し出す力を意味し、 電位差の高低を表す。 日本の場合、 家庭の電圧は通常100Vとなっている。 河川で例えるならば、 電気は上流と下流の差のように高低差がある(電圧が高い)ほど水の勢い(電流)が強くなる性質を持っている。

名称は、ボルタ電池を発明した物理学者アレッサンドロ・ボルタに由来する。

1ボルトは、計量法において次のように定義されている。
1アンペアの直流の電流が流れる導体の二点間において消費される電力が1ワットであるときの
その二点間の直流の電圧又は1アンペアの交流の電流が流れる導体の二点間において消費される電力の
一周期平均が1ワットであるときのその二点間の交流の電圧

以下の定義も、表現が異なるだけで同じである。
導体の二点間を1クーロンの電荷を運ぶのに1ジュールの仕事が必要となるときの、
その2点間の電圧 (V = J/C)

国際単位系 (SI) ではSI組立単位となっており、 SI基本単位で表すと V = m2*kg*s-3*A-1 となる。

1ボルトの電圧をかけたときに1アンペアの電流が流れる電気抵抗が1オーム (Ω) である。 オームはボルトとアンペアから定義される (Ω = V/A)。 原音に即し、ヴォルトと表記することもある。

ファラド

ファラド 英語:farad  記号:F

ファラドは、 コンデンサ(キャパシタ、キャパシタンス、蓄電器)などの静電容量の単位(SI組立単位)である。 名称はマイケル・ファラデーに由来するものである。 (なお、同じくマイケル・ファラデーに由来するファラデーという単位があるが、これは電荷の単位である。)

1ファラドは、
1クーロン(C)の電気量を充電したときに1ボルト(V)の直流の電圧を生ずる2導体間の静電容量」(計量単位令による)と定義される。
言い換えると、「1ファラドは1ボルトの電位差により1クーロンの電荷を充電できる静電容量

となる。

静電容量・電荷・電位差の関係は線形である。 コンデンサの中の電位差が半分になれば、 そのコンデンサで充電される電荷の量も半分になる。

SI基本単位で組み立てると、
F = C/V = m-2*kg-1*s4*A2

となる。

オーム

オーム 英語:ohm  記号:Ω

オームは、 国際単位系(SI)において一貫性のある電気抵抗(レジスタンス)、 およびインピーダンスやリアクタンスの単位である。 固有の名称をもつSI組立単位のひとつであり、 この名称は電気抵抗に関するオームの法則を発見したドイツの物理学者ゲオルク・ジーモン・オームに由来する。

単位の記号にはギリシャ文字の大文字のΩ(オメガ)が用いられる。 これはオームの頭文字であるラテン文字のO(オー)では、 数字の0(ゼロ)と混同されやすいからである。

電気抵抗を表すための単位は、 初期の電信業務に関連して経験的にいくつか作られてきた。 1861年に英国科学振興協会が、 メートル法の力学単位から組み立てられる絶対単位を、 実用上便利な大きさとなるように10の冪乗の倍量単位としてオームを提唱した。 オームの定義はその後何度か修正された。

ジーメンス

ジーメンス 英語:siemens  記号:S

ジーメンスは、 コンダクタンス・アドミタンス・サセプタンスの単位で、SI組立単位の一つである。
その名はドイツの物理学者ヴェルナー・フォン・ジーメンスにちなむ。 西暦1971年の第14回国際度量衡総会(CGPM)において、 ジーメンスSI組立単位に導入することが採択された。

コンダクタンスは電気抵抗の逆数であり、 ジーメンスは電気抵抗の単位オーム (Ω) の逆数として定義される。 日本の計量単位令では
1アンペアの直流の電流が流れる導体の二点間の直流の電圧が1ボルトであるときのその二点間の電気のコンダクタンス

と定義している。

ジーメンスを他の単位で表すと以下のようになる。
S = kg-1 m-2 s3 A2 = A/V

ウェーバ

ウェーバ 英語:weber  記号:Wb

ウェーバは磁束の単位で、 SI組立単位の一つである。 ドイツの物理学者ヴィルヘルム・ヴェーバーにちなんで命名された。 SI基本単位で表すと
Wb = kg m2 s-2 A-1

となる。
他の組立単位で表すと、 ボルト秒(記号:V s)またはテスラ平方メートル(記号:T m2)となる。

ウェーバは、 ある閉曲線を通過する磁束の変化とその閉曲線のまわりの電界とを関連づけるファラデーの電磁誘導の法則に基づいて定義することができる。 1 sあたり1 Wbの磁束の変化は、 1 Vの起電力を生ずる。 日本の計量単位令では
1秒間で消滅する割合で減少するときに
これと鎖交する一回巻きの閉回路に1ボルトの起電力を生じさせる磁束

と定義している。

なお、 現在では主流ではないE-H対応の電磁気学においては、 磁荷を基本として磁気に関する理論を組立、 この場合には1 Wbは磁荷の大きさを表す単位として考えられる。

1 Wbの磁束は、 108 マクスウェルの磁束にほぼ等しい。(相対誤差10-10程度)

テスラ

テスラ 英語:tesla  記号:T

テスラは、磁束密度の単位である。

その名称はニコラ・テスラにちなむ。 西暦1960年国際単位系(SI)導入の際、 それまでのCGS単位系に基づくガウスをSIに基づくものに置き換えるために定められた。 1万ガウスと等価。

1テスラは、
磁束の方向に垂直な面の1平方メートルにつき1ウェーバの磁束密度

と定義される。
すなわちウェーバ毎平方メートル(Wb/m2)に等しい。
他の単位では以下のように表現できる。
T = Wb*m-2 = V*s*m-2 = N*A-1・m-1 = kg*C-1・s-1 = kg*A-1*s-2

ヘンリー

ヘンリー 英語:henry  記号:H

ヘンリーは、 インダクタンスの単位である。 国際単位系 (SI) では組立単位となっている。 名称は、アメリカ合衆国の物理学者ジョセフ・ヘンリーから付けられた。 ヘンリーは、イギリスのマイケル・ファラデーとほぼ同時期に、 それとは独立に電磁誘導を発見した。

1ヘンリーは、
1秒間に1アンペアの割合で変化する直流の電流が流れるときに
1ボルトの起電力を生ずる閉回路(コイルなど)のインダクタンス。

と定義される。
すなわち、
H = V/(A/s) = V・A?1・s

である。
SI基本単位では
H = V*A-1*s = m2*kg*s-2・A-2

となる。

セルシウス度

セルシウス度 /  英語:degree Celsius  記号:

セルシウス度または単には、 セルシウス温度の単位である。 温度間隔(temperature interval)または間隔差(temperature difference)は、 ケルビンまたはセルシウス度のどちらによっても表すことができ(第13回 CGPM、西暦1967年-西暦1968年、決議3)、 その数値は同じである。 なお、温度差を表現するために、 degree(略字 deg) を用いることは西暦1980年以降、 禁じられている。 現在では、 セルシウス度(およびセルシウス温度)は世界的に使用されている。

セルシウス温度の単位は、 セルシウス度(記号は °C)であり、 定義によってケルビンの大きさと等しい。

日本の計量法での定義は次のようになっている。
セルシウス度 = ケルビン = ボルツマン定数を 1.380649×10-23 J/K とすることによって定まる温度
セルシウス温度 = ケルビンで表した熱力学温度の値から 273.15 を減じたもの

計量単位令にあるとおり、単に「度」と表記した場合は、 セルシウス度を意味する。

元々の定義は水の凝固点を100度、沸点を0度とし、現在とは逆であった。

ルーメン

ルーメン 英語 lumen  記号 lm

ルーメンは、光束の単位である。 国際単位系 (SI)の単位の一つである。

SIにおいて1ルーメンは、
全ての方向に対して1カンデラの光度を持つ標準の点光源が1ステラジアンの立体角内に放出する光束

と定義される。

lumenはラテン語で「昼光」を意味する語である。 人名に由来する名称ではないので、単位記号は全て小文字である。 ルーメンという単位は西暦1925年に作られたが、 当時の定義は古い光度の単位である燭に基づくものであった。 西暦1946年、 国際度量衡委員会 (CIPM)は新しい光度の単位・カンデラ(当時の名称はブージ・ヌーベル(新燭))の導入を決議し、 ルーメンもカンデラによる定義に改められた。 当初は古い定義によるルーメンとの区別のために「新ルーメン (new lumen)」と呼ばれていた。

プロジェクタの光源の発する光束の計測方法がANSIによって定められている。 投影面を縦3×横3の9分割にし、 それぞれの面の平均照度(単位 ルクス (lx))を計測する。 それに投影面の面積(単位 平方メートル (m2))をかけて光束を求める。 lx = lm/m2 であるので、 ルクスに平方メートルを掛けるとルーメンになる。 この計測方法で求められた光束のルーメン値を特にANSIルーメンと称する。

ルクス

ルクス 英語:lux  記号:lx

ルクスとは、国際単位系(SI)における照度の単位である。 SI組立単位「ルーメン毎平方メートル」(lm/m2)に与えられた固有の名称であり、 日本の計量単位令では
1平方メートルの面が1ルーメンの光束で照らされる時の照度

と定義されている。

luxという名称は、 ラテン語で光を意味する語からとられたものである。 人名に由来するものではないので、単位記号は全て小文字である。 英語では単数形・複数形ともluxと書く。 西暦1889年に作られた単位で、 西暦1948年の第9回国際度量衡総会(CGPM)で国際単位系に採用された。

ベクレル

ベクレル 英語:becquerel  記号:Bq

ベクレルとは、 放射能の強さを表す単位であり、 それは1秒間に崩壊する原子核の数で表される。
単位としてのベクレルをフルスペルで英字表記する場合は常に小文字で「becquerel」と書かねばならず、単位記号では「Bq」と頭文字だけを大文字にすると国際単位系のルールで規定されている。

ある放射性物質について8秒間に原子が370個だけ崩壊するのであれば、 その放射性物質の放射能は46.25 Bqである。
370 ÷ 8 s = 46.25 s-1 = 46.25 Bq

ベクレルという名称は、 ウランの放射能を発見しノーベル物理学賞を受賞したフランスの物理学者アンリ・ベクレルに因む。 かつては壊変毎秒(かいへんまいびょう、dps; decays per second / disintegrations per second)と言ったが、 西暦1975年の国際度量衡総会にて、 この名称になった。

ベクレルは、 SI基本単位により s-1 で組み立てられるSI組立単位である。

グレイ

グレイ 英語:gray  記号:Gy

グレイは、 放射線によって人体をはじめとした物体に与えられたエネルギーを表す計量単位である。 国際単位系における固有の名称と記号を持つ22個のSI組立単位の一つである。

吸収線量またはカーマの計量単位として主に用いられる。

医療の現場における被治療者の被曝線量を表す臓器吸収線量の単位などに用いられる。

グレイは、 西暦1940年に同様の概念の単位を使用したルイス・ハロルド・グレイ(西暦1905年 - 西暦1965年)を記念して1975年に定められた。ルイス・ハロルド・グレイは、「1レントゲンの放射能によって単位体積の水中に生じるエネルギーに等しい量のエネルギーの増加を単位体積当たりの組織の中で生じる中性子放射線の総量」を単位とした。

吸収線量の単位
電離放射線の照射により物質 1 kg につき 1 J の仕事に相当するエネルギーが与えられるときの吸収線量を1グレイと定義する。
カーマの単位
間接電離放射線の照射により直接放出される全荷電粒子の初期運動エネルギーの和が物質 1 kg につき 1 J の仕事に相当するときのカーマを1グレイと定義する。
J/kg = m2 s-2、すなわちT-2 M2の次元をもつ。

シーベルト

シーベルト 英語:sievert  記号:Sv

シーベルトとは、 生体の被曝による生物学的影響の大きさ(線量当量、dose equivalence・等価線量、equivalent dose)の計量単位である。 固有の名称と記号を持つSI組立単位の一つである。 その名称は、 放射線防護の研究で功績のあったロルフ・マキシミリアン・シーベルトにちなむ。

一貫性のあるSI組立単位として、 J/kgと定義されている。 しかし実用上は Sv は大きすぎるため、 mSv(ミリシーベルト、10-3 Sv) やμSv(マイクロシーベルト、10-6 Sv)などが用いられる。

線量当量とは、 吸収線量(放射線から受けるエネルギー)に線質係数を掛けたものである。

日本の計量法では
グレイで表した吸収線量の値に経済産業省令で定める係数を乗じた値が一である線量当量

と定義している。

上記の「経済産業省令で定める係数」は、 水中の線衝突阻止能 (荷電粒子が水中を進むとき1 マイクロメートル(μm)につき電子との衝突により失う運動エネルギーが、1 キロボルト (kV)の電位を電子が移動するときに必要とするエネルギーの何倍に相当するかを表す。) に基づく線質係数として、 1から20の数値を定めている。

SI接頭辞 1197

SI接頭辞(プラス)
倍数 接頭辞記号
10 デカda
102 ヘクトh
103 キロk
106 メガM
109 ギガG
1012テラT
1015ペタP
1018エクサE
1021ゼタZ
1024ヨタY
SI接頭辞(マイナス)
倍数接頭辞記号
10-1 デシd
10-2 センチc
10-3 ミリm
10-6 マイクロμ
10-9 ナノn
10-12ピコP
10-15フェムトf
10-18アトa
10-21ゼプトz
10-24ヨクトy

倍数接頭辞 1236

倍数接頭辞
倍数数詞
1/2 ヘミ(hemi)
1 モノ(mono)
3/2 セキス(sesqui)
2 ジ(di)、ビ(bi)、ビス(bis)*
3 トリ(tri)、トリス(tris)*
4 テトラ(tetra)、テトタキス(tetrakis)*
5 ペンタ(penta)、ペンタキス(pentakis)*
6 ヘキサ(hexa)、ヘキサキス(hexakis)*
7 ヘプタ(hepta)
8 オクタ(octa)
9 ノナ(nona)、エンネア(ennea)**
10 デカ(deca)
11 ウンデカ(undeca)、ヘンデカ(hendeca)**
12 ドデカ(dodeca)
13 トリデカ(rideca)
14 テトラデカ(tetradeca)
...
20 イコサ(icosa)、エイコサ(eicosa)**
30 トリアコンタ(triaconta)
40 テトラコンタ(tetraconta)
*:数詞で始まる原子団などの数を示すときに用いる。
**:従来用いられていたが、西暦1990年規制でnona, undeca に改められた。

SIと併用される単位

SIと併用される単位
単位の名称 記号 物理量 単位の定義
トン t 質量 103kg
オングストローム 長さ 10-10m
リットル l、L 体積 10-3m3
バール bar 圧力 105Pa
電子ボルト eV エネルギー 1.602176634*10-19J
min 時間 60s
h 3600s
d 86400s
° 平面角 (π/180)rad
' (π/10800)rad
" (π/648000)rad
統一原子質量単位 u 質量 1.66053906660(50)*10-27*kg

他の単位との換算表

他の単位との換算表
単位の名称 記号 物理量 SI単位による値
ダイン dyn 10-5N
標準大気圧 atm 圧力 101325 Pa
トル Torr 133.322… Pa (101325/760 Pa)
エルグ erg エネルギー 10-5N
カロリー cal 4.184 J
キュリー Ci 放射能 3.7×1010 Bq
デバイ D 電気双極子モーメント 10-5N

物理定数 1332

物理定数
物理量記号数値SI単位
プランク定数 h 6.62607015*10-34 J*s
ボルツマン定数 k、kB 1.380649×10-23 J*K-1
アボガドロ定数 NA 6.02214076*1023 mol-1
気体定数 R 8.314462618… J*mol-1*K-1
理想気体の体積* Vm 22.41396954…*10-3 m3*mol-1
真空中の光速度 c 2.99792458*108 m*s-1
電気素量 e 1.602176634*10-19 C
ファラデー定数 F 9.648533212…*104 C*mol-1

プランク定数

プランク定数 英語:Planck constant  記号:h

プランク定数は、 光子のもつエネルギーと振動数の比例関係をあらわす比例定数のことで、 量子論を特徴付ける物理定数である。

量子力学の創始者の一人であるマックス・プランクにちなんで命名された。

作用の次元を持ち、作用量子とも呼ばれている。

SIにおける単位はジュール秒(記号: J・s または J s)である。 プランク定数は西暦2019年5月に定義定数となり、 正確に6.62607015×10-34 J・sと定義された。

ボルツマン定数

ボルツマン定数 英語:Boltzmann constant  記号:k あるいは kB

ボルツマン定数は、 統計力学において、 状態数とエントロピーを関係付ける物理定数である。 統計力学の分野において重要な貢献をしたオーストリアの物理学者ルートヴィッヒ・ボルツマンにちなんで名付けられた。 通常は記号 k が用いられる。 特にBoltzmannの頭文字を添えて kB で表されることもある。

ボルツマンの原理において、 エントロピーは定まったエネルギー(及び物質量や体積などの状態量)の下で取りうる状態の数 W の対数に比例する。 これを
S = k ln W

と書いたときの比例係数 kボルツマン定数である。 従って、ボルツマン定数はエントロピーの次元を持ち、 熱力学温度をエネルギーに関係付ける定数として位置付けられる。 ボルツマン定数西暦2019年5月に定義定数となり、 正確に 1.380649×10-23 J K-1 である。

ボルツマン定数はマックス・プランクによって西暦1900年にプランク定数と一緒に導入された。 ボルツマン自身はこの定数を用いたことはない。

西暦2019年5月20日に施行されたSIの定義で、 ボルツマン定数の値は正確に k = 1.380649×10-23 J K-1 となった。 これはメートルの定義に光速が用いられることにより、 光速が正確に 299792458 m/s となったことと同じである。




仏語(フランス語)

国際単位系(SI)を含むメートル法はフランスの発案であったという歴史的経緯があること、 および、 メートル条約、 国際度量衡委員会 (CIPM)、 国際度量衡局 (BIPM) の公用語がフランス語であるという事情により、 メートル法や国際単位系(SI)では、 用語や略称などはフランス語が使用されることが慣例となっている。