セム語族セム語派セム語系

セム語族(アフロ・アジア語族のひとつの語派とされ、西アジアに広く活動する語族の一派。)
セム語族には、 アッカド語、 バビロニア語、 アッシリア語、 アラム語、 フェニキア語、 ヘブライ語、 アラビア語がある。 なお、 アフロ・アジア語に含まれる語派には、 他に古代エジプト語派、チャド語派などがある。 かつて、 セム語族に対して、 エジプトや北アフリカの言語をハム語族と言ったが、 現在ではこの用語は用いられていない。
セム語派(西アジアの言語系)
言語学的に一つのまとまりをもつ語族の一つでアフロ・アジア語族の一派。セム語派ともいう。 西アジアではじめ遊牧生活を営んでいたが、 次第に農耕定住生活に移り、 紀元前3000年紀にメソポタミアに侵入した。 紀元前2300年頃にメソポタミアを支配したアッカド人をはじめ、 バビロニア王国を作ったアムル人など東セム語族がまず登場し、 メソポタミア文明を発展させた。 次いで紀元前1200年頃にシリア・パレスチナにアラム人、 フェニキア人、 ヘブライ人(いわゆるセム系3民族の活動)など北西セム語族が活動した。 その後に登場するアフリカのエチオピア人、 イスラームによって大帝国を作るアラブ人などは南西セム語族とされる。 このように、 セム語族は、 オリエント世界の中心的な役割を果たした人々であった。
セム語系(反セム主義)
反セム主義 (anti-Semitism, antisemitism) という語は、 その文字通りの意味ではなく、 反ユダヤ主義に限って使われる。 例えば反アラブ主義がそう呼ばれることはないばかりか、 「アラブ人の反セム主義」のようにセム族同士の関係に対し使われることすらある。 19世紀にエルネスト・ルナンやヴィルヘルム・マルなどによってセム族とアーリア族が対比され、 反ユダヤ主義を「反セム主義」とする用語も定着した。