海上保安学校宮城分校北九州航空研修センターに所属する訓練機(「当該機」とする)は、
4月18日午前9時15分頃、
北九州空港から出発した。
搭乗者は40代の教官と20代の訓練生の2名であった。
当該機の飛行目的は訓練であり、
トラブル発生までは訓練生が操縦を行っていた。
離陸後は宇佐市の上空でエンジンの出力を100%に上げるなどして操縦感覚を養う訓練を行っていたところ、
航空管制を担当している築城基地に、
教官から「エンジンの出力があがらない。緊急着陸する」との無線通信があり、
10時2分頃に宇佐市松崎の畑に着陸した。
Flightradar24(フライトレーダー24)の記録によれば、
9時53分ごろには高度を下げ始めており、
10時1分にトランスポンダのスコークを7700に設定している。
不時着は教官の操縦によって行われた。
着陸後、乗員が自力で消防に通報した。
当初の予定では10時30分頃に北九州空港に戻る予定であった。
機体は不時着後に上下がひっくり返った状態になったが、
乗員の2名は軽傷(首の捻挫)であり、
命に別条はないという。
西暦2024年3月28日、
運輸安全委員会は「1年以内に調査を終えることが困難」であるとして、
途中経過を報告した。
これによると、
不時着のおよそ10分前にはエンジンの出力が100%から約60%に低下していた。
これは本来であれば飛行を継続できる出力であるが、
実際には高度を維持できなくなった。
また、不時着直前には後方から黒い煙が出ていたとの報告もある。