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航空機事故詳細

作成日:2025/8/24

事故発生日:西暦2004年1月1日
便名:日本エアシステム 979便(機体記号:JA8297)
   運航はハーレクィンエア
機種:マクドネル・ダグラス MD-81
死者:なし(2人が負傷)。
状況:日本エアシステム機徳之島空港着陸失敗事故は、 西暦2004年1月1日に発生した航空事故である。
鹿児島空港発徳之島空港行きだった日本エアシステム979便が、 徳之島空港への着陸時に左主脚が破損し左翼が滑走路に接触した。 乗員乗客169人中3人が負傷した。
事故の経緯
979便は、鹿児島空港を15時36分に離陸し、 巡航高度の26,000フィートまで上昇し、 水平飛行に移った。

16時17分51秒、 機長は徳之島空港の滑走路01を視認し、 有視界飛行方式での滑走路01への進入を継続した。 60フィートでエンジン出力が抑制し始められ、 9フィートでアイドルにされた。 16時23分47秒、 979便は速度133ノット、 僅かな機首上げ姿勢で滑走路に接地した。 1秒後、衝撃音と共に、着陸装置の警報が作動した。 機体は左に傾き、パイロットは方向舵で姿勢を建て直そうとした。 機体は滑走路端から1,750m地点で停止し、 パイロットは管制官に事故を報告し、 滑走路は閉鎖された。
事故調査
航空・鉄道事故調査委員会(ARAIC)が事故調査を行った。 調査にはARAICの調査官3人の他、 国家運輸安全委員会(NTSB)の調査官も参加した。 2005年5月27日、 ARAICは経過報告書を発行した。
左主脚のシリンダー
事故後、 日本エアシステムは同型の着陸装置を備えた機材の点検を行った。 その結果、 別のMD-81(JA8496)のシリンダーにも亀裂が生じていたと判明した。 検査を行っていない他の5機のMD-81は運航を一時的に停止することとなり、 13便が欠航した。 また、記録からMD-80シリーズではシリンダーの破損事故が西暦1995年4月、 西暦1997年4月、 西暦2001年5月、 西暦2003年10月と過去に4件発生したことが判明した。 この4件の事故を受けて製造業者はサービス・ブリテンを発行し、 シリンダーの検査を行うべき着陸回数や検査間隔を改訂していた。
事故機の左主脚のシリンダーは金属疲労により破断したと結論付けられた。 部品の取り付け時に生じたと思われる亀裂は少しずつ大きくなっていき、 979便が着陸した時の衝撃により限界を迎えたと推定された。 定期検査においても、 マクドネル・ダグラスが適切な検査間隔や検査時間を設定していなかったため、 亀裂が見逃された。 亀裂は3つ生じており、3-5.2mmの長さまで成長していた。
事故原因
事故機が徳之島空港へ着陸した際、 疲労亀裂が生じていた左主脚のシリンダーが破断し、 機体は左へ傾いた。 そのため、左主翼が滑走路面に接触し、 機体が損傷したと結論付けられた。 また、ARAICは亀裂が見逃された原因として製造業者の検査間隔の設定が不十分であったことを挙げた。