事故発生日:
西暦1985年8月2日
便名:デルタ航空 191便(機体記号:N726DA)
機種:ロッキード L-1011-385-1 トライスター
死者:乗員11人乗客152人。合計163人中134人と地上の1人が死亡
状況:
デルタ航空191便墜落事故は、
西暦1985年8月2日、
フロリダ・フォートローダーデール発テキサス州ダラス・フォートワース経由カリフォルニア州ロサンゼルス行き、
デルタ航空191便が、
着陸前に急降下・旋回し、
滑走路手前の高速道路・空き地に墜落し、
貯水タンクに突っ込み爆発炎上した。
乗員乗客134名と高速道路を走行していた車のドライバー1名、
計135名が死亡した事故である。
...
着陸のため降下中、
機長は進路前方に嵐を確認し管制官に進路の変更を要請した。
一度は嵐を回避したものの再び発生していた嵐に突入してしまう。
着陸進入中、突然機体が急降下し始めた。
パイロットはエンジンを全開にし、
しばらくして急降下はおさまったものの、
さらにしばらくして右に傾きながら再び急降下し始めた。
墜落直前、
機長は
着陸復航を指示したが、
急激に降下している中では不可能であった。
墜落直前、
副操縦士は機体を水平に戻すものの地上からわずか数メートルしかなく、
空き地に接地した後に高速道路に突っ込んだ。
その際、右エンジンが走行していた乗用車を直撃し、
運転手は即死した。
その後機体はわずかに上昇したものの、
再び空き地に接地した。
コントロールを失った機体は空港敷地内にあった貯水タンクに激突し、
垂直尾翼を含む機体後部を残して大破、炎上した。
雷雲から雲が地上に向かって落ちてくる、
マイクロバースト現象により発生した追い風と下降気流で機体が急降下し、
一度は体勢を立て直したが、
再び追い風に遭遇したことで機体が失速し、墜落した。
原因となった雷雲は事故前より発生していたが(この時期のダラス空港は雷雨が頻繁に生じていた)、
191便の直前に着陸進入中であったリアジェットが通常通り着陸していたことや、
当時空港にマイクロバーストを検知するドップラー気象レーダーが設置されていなかったことから、
事故直前まで管制官・パイロット共に予測できなかった。
この事故を契機にダウンバーストを観測できるドップラー気象レーダーの空港への設置が急がれ、
また機体の気象レーダーも強化が図られた。