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航空機事故詳細

作成日:2025/8/29

事故発生日:西暦1981年8月22日
便名:遠東航空 103便(機体記号:B-2603)
機種:ボーイング 737-222
死者:乗員乗客110人全員が死亡
状況:遠東航空103便墜落事故は、 西暦1981年8月22日に台湾の航空会社であるファーイースタン航空(遠東航空)の旅客機が、 巡航中に空中分解して墜落した航空事故である。
西暦2021年現在、 台湾で発生した航空事故としては二番目に多い犠牲者を出した事故となっている。
(最大の事故は西暦1998年に発生したチャイナエアライン676便墜落事故。死者は203人であった) ...
事故の概略
台湾・台北松山空港発高雄行きの遠東航空103便ボーイング737-200が、 台北を午前9:54に離陸して14分後、 台北の南南西約150キロメートルの苗栗県三義郷上空高度22,000フィートを巡航中に突然空中分解し、 山中に墜落した。

この事故で乗員6名、 乗客104名の合わせて110名全員が死亡した。 乗客には日本人18名が含まれていたが、 その中に台湾への取材のため搭乗していた作家の向田邦子やシルクロード写真企画の火付け人であった志和池昭一郎がいたこともあって、 日本社会にも大きな衝撃を与えた。 他にアメリカ人2名も犠牲となっている。
事故原因
事故機は、 西暦1969年に製造された比較的使用年数の短いものであったが、 海洋に近い台湾島内を頻繁に飛行し、 また海産物のパッキングが不完全な状態で空輸することが多かったため、 塩害の影響で与圧隔壁の腐食が著しく進行していた。 これによって貨物室の外板が客室与圧に耐えられなくなって破壊され、 空中分解に至ったものであった。

本事故の約2週間前の8月5日にも、 当該機は台北から高雄へ向かう途中に客室の与圧が抜けるトラブルを起こしていた。 この時は台北に引き返し、 緊急着陸に成功している。 その応急修理を終えて復帰した直後に本事故が発生しているため、 このトラブルはその前兆であったとされる。

事故後、 各国の航空当局はボーイング737の点検を命じ、 後に外板は従来よりも厚いものに交換されるようになった。 なお、事故後遠東航空はボーイング737をすべて退役させ、 ボーイング757やMD-82に変更している。
類似事故
西暦1988年にも、 アロハ航空の737型機が腐食で飛行中に外壁が破損する事故(アロハ航空243便事故)を起こしている。 ただし奇跡的に全壊にまでは至らず、 緊急着陸に成功し客室乗務員1名以外に死者はなかった。 なお、この事故での破損部分は機体前方の客室天井であった。