事故発生日:
西暦1976年9月15日
便名:大洋航空(近代航空によるチャーター)
機種:セスナ 172M(機体番号:JA3732)
死者:乗客2人が行方不明(死亡と推定)、乗員2名が負傷
状況:元高崎経済大学学長で経済学者の田中精一夫妻が、
近代航空に伊豆大島上空遊覧飛行の斡旋を依頼。
近代航空社長が大洋航空を紹介したが、
大洋航空幹部は「この夫婦は搭乗したいと何度も来社したが、様子がおかしいので乗せられない」と断った。
大洋航空機は、
近代航空の社長が同乗することを条件に調布飛行場を飛び立った。
伊豆大島を周回後、
相模湾上空の高度2,000m付近を飛行中に突然、
田中精一が機長の肩や首をナイフで切りつけたため、
副操縦席にいた近代航空社長が田中精一を殴ったところ、
田中精一の妻が医療用メスで近代航空社長に斬りかかった。
もみ合いになり、機が急降下したところで田中夫妻はそれぞれ両サイドのドアを開け、
機外へ飛び降りた。
機長が出血多量により意識朦朧となったため、
代わりに近代航空社長が操縦桿を握り、
約30分後に羽田空港に緊急着陸した。
田中夫妻は捜索が行われたものの発見できず、
機長は全治2か月の重傷、
近代航空社長は全治2週間の怪我を負った。