小窓
航空機事故詳細

作成日:2025/6/2

事故発生日:西暦1976年4月5日
便名:アラスカ航空 60便(機体記号:N124AS)
機種:ボーイング 727-81
死者:乗員7人乗客43人。合計50(57?)人中1人が死亡。
状況:アラスカ航空60便オーバーラン事故は、 西暦1976年4月5日にアラスカ州で発生した航空事故である。
ジュノー国際空港からシアトル・タコマ国際空港へ向かってアラスカ航空60便が経由地のケチカン国際空港への着陸時に滑走路をオーバーランした。 乗員乗客50人中1人が死亡した。 ...
事故の経緯
PST7時38分、60便はジュノー国際空港を離陸した。 60便はジュノー国際空港からケチカン国際空港を経由してシアトル・タコマ国際空港へ向かう定期旅客便だった。 8時05分、管制官は60便にケチカン国際空港への進入を許可した。 8時11分、パイロットは10,000フィートを降下中と報告し、 滑走路11へのILS進入を開始した。 事故当時、空港付近では雪が降っており、霧も出ていた。

4,000フィート付近で地表を視認したため、 機長は視認進入で着陸することに決めた。 60便は145ノットで滑走路11に着陸した。 着陸後、機長はブレーキの効きが悪いと感じ、着陸復航を試みた。 スポイラーは格納され、フラップは25度に設定された。 しかし、逆推力装置は格納できなかった。 そのため、機長は再びスポイラーを展開し、機体を停止させようとした。 60便はオーバーランし、 滑走路端から700フィート地点の渓谷で停止した。

事故によりオレゴン州在住の85歳の女性が死亡したほか、 乗員5人と乗客27人が重傷を負い、17人が軽傷を負った。 コックピットクルー3人は全員重傷を負い、シアトルへ緊急搬送された。
事故調査
国家運輸安全委員会(NTSB)が事故調査を行った。 目撃者たちは60便の着陸は通常よりも早い速度だったと証言した。 ケチカン国際空港の滑走路11へ着陸する際の推奨速度はフラップ40度では117ノット、 フラップ30度では121ノットであった。 着陸時にフラップが何度に設定されていたかは判明しなかったが、 どちらの場合にしても60便は推奨速度よりも速い速度で着陸したことが判明した。

国家運輸安全委員会(NTSB)は最終報告書で機長のミスを指摘した。 最終進入が不安定だったため、機体は滑走路に高速で着陸した。 加えて、着陸復航を決断したタイミングも不適切であった。 また、 国家運輸安全委員会(NTSB)は事故の要因として機長がILS進入から視認進入に切り替えたことを挙げた。 その他、機長が低血糖状態だったことも事故に寄与したとされた。