事故機は、吹雪のためにバッファローで立ち往生していたアメフトチームのボルチモア・コルツを運ぶためにチャーターされた機だった。
6231便はバッファローへの回送便で、
19時14分にジョン・F・ケネディ国際空港を離陸した。
16,000フィート付近を上昇中に、
速度が増加し始め、副操縦士が異常を察知した。
23,000フィート付近で対気速度が
405ノットになり、
速度超過警報が作動した。
機長は、誤報ではと考えたが、副操縦士は警報を信じた。
10秒後に失速警報と共にスティックシェイカーが作動した。
パイロットは混乱し、機首を引き上げ、
機体は
24,800フィートまで上昇した後に、
失速しスピン状態に陥った。
19,700フィート付近を降下中に、
パイロットは緊急事態宣言をし、操縦不能であることを伝えた。
管制官が「問題は何か」と聞くと「失速し
12,000フィートを切って降下している」と返答した。
離陸から12分後の19時26分に、
右主翼から地面に激突し墜落した。
機体は高度
24,000フィートからわずか83秒で標高
1,090フィートの地表に激突した。
国家運輸安全委員会は
西暦1975年8月13日に、最終報告書を提出した。
調査官は、
パイロットが離陸前にピトー管のヒーターを作動させなかったため、
飛行中に
ピトー管が凍結し、
誤った速度が
対気速度計に表示された。
対気速度計が正しいと判断したパイロット達は、
それに基づいて問題を修正しようとし、
機体を失速させた。
ボーイング727には、
機長席と副操縦士席に1つずつと
FDR用に1つ、
計3つの対気速度計があったが、
ほぼ同時に3つとも凍結し、
全て誤った速度を表示した。
NTSBは報告書で、
事故原因として、
パイロットが速度の低下を認識できず、
迎え角が高くなり、
失速し回復操作も適切にできなかったため、
機体の制御を失ったと述べた。
失速は、
ピトー管の凍結により、
誤った速度が
対気速度計に表示されたためだとした。
調査官が、
ボイスレコーダーを分析したところ、
パイロットは
スティックシェイカーの振動を速度超過により機体が振動していると思い込んでいたようだった。