小窓
航空機事故詳細

作成日:2025/6/22

事故発生日:西暦1971年1月29日
便名:1) トランス・オーストラリア航空 592便
   2) CPエア 301便
機種:1) ボーイング 727-76(機体記号:VH-TJA)
   2) ダグラス DC-8-63(機体記号:CF-CPQCF-CPQ)
死者:なし、負傷者もなし。(両機の登場者240人全員が生存)
状況:現地時間21時29分に、 トランス・オーストラリア航空592便は滑走路16までのタキシング許可を管制官から受けた。 一方で、21時30分20秒、CPエア301便が滑走路16への計器着陸進入を許可され、 乗員はアウター・マーカーで再度報告するよう指示された。 301便は着陸を許可され、 592便は誘導路で待機していた。 301便が滑走路の端を通過したことを確認し、 592便のパイロットは滑走路16に進入し待機した。 着陸した301便が滑走路の終端に近づくと管制官は「…誘導路を右折し、121.7で交信せよ(…take taxiway right-call on 121.7)」と伝えた。 しかし、301便はその場で右旋回し、 滑走路上を592便の方向へ直進し、 誘導路Tとの交差点で停止してしまった。
管制官は301便が旋回を終了したことを視認し、592便に離陸許可を出した。 301便のパイロットたちは、 地上管制官と交信するため、 周波数を121.7に切り替えており、 592便に離陸許可が出されたことに気付かなかった。 しばらくして、301便の機長が着陸灯が接近してくるのに気付き、 推力をあげ滑走路から出ようとした。 一方、592便のパイロットは離陸速度の131ノットに達するまで301便に気付かなかった。 機長は、離陸を中断するには距離が近すぎると判断し、 オーバー・ローテーションに注意しながら離陸を継続した。 離陸時に、 592便の主脚と胴体中央部の右下側が301便の垂直尾翼上部に衝突した。 301便のパイロットは、衝突があったという報告は受けたものの、 大きな振動などがなかったため、 駐機場へ向かった。 592便は衝突により油圧を1系統失ったものの22時16分、 滑走路16への緊急着陸に成功した。