状況:現地時間21時29分に、
トランス・オーストラリア航空592便は滑走路16までの
タキシング許可を管制官から受けた。
一方で、21時30分20秒、CPエア301便が滑走路16への計器着陸進入を許可され、
乗員はアウター・マーカーで再度報告するよう指示された。
301便は着陸を許可され、
592便は誘導路で待機していた。
301便が滑走路の端を通過したことを確認し、
592便のパイロットは滑走路16に進入し待機した。
着陸した301便が滑走路の終端に近づくと管制官は「…誘導路を右折し、121.7で交信せよ(…take taxiway right-call on 121.7)」と伝えた。
しかし、301便はその場で右旋回し、
滑走路上を592便の方向へ直進し、
誘導路Tとの交差点で停止してしまった。
管制官は301便が旋回を終了したことを視認し、592便に離陸許可を出した。
301便のパイロットたちは、
地上管制官と交信するため、
周波数を121.7に切り替えており、
592便に離陸許可が出されたことに気付かなかった。
しばらくして、301便の機長が着陸灯が接近してくるのに気付き、
推力をあげ滑走路から出ようとした。
一方、592便のパイロットは離陸速度の
131ノットに達するまで301便に気付かなかった。
機長は、離陸を中断するには距離が近すぎると判断し、
オーバー・ローテーションに注意しながら離陸を継続した。
離陸時に、
592便の主脚と胴体中央部の右下側が301便の垂直尾翼上部に衝突した。
301便のパイロットは、衝突があったという報告は受けたものの、
大きな振動などがなかったため、
駐機場へ向かった。
592便は衝突により油圧を1系統失ったものの22時16分、
滑走路16への緊急着陸に成功した。