状況:15時01分、事故機はこの日2回目の訓練飛行を終えて駐機場へ到着した。
記録によると、
事故機の燃料計と副操縦士席側の姿勢指示器に若干の表示不良が確認されていた。
しかし、飛行に問題をきたすような不具合はエンジン始動から離陸まで確認されなかった。
この飛行では、副操縦士席に機長が機長席に訓練生Aが着席しており、
航空機関士は機関士席に、
2人の訓練生はオブザーバー席と客室の座席に着席していた。
予定では、3回のタッチアンドゴー訓練を行うこととなっていた。
15時37分、90便のパイロットは管制官に気象情報を聞いた。
管制官は、240度から
15ノットの風が吹いており、
突風は
20ノットであると伝えた。
16時01分、パイロットは滑走路32Rからの離陸準備ができたと報告し、
管制官は離陸許可を出した。
離陸に際して、機長は第4エンジンの出力を下げ、
訓練生Aは緊急手順を実行した。
90便は
6,500フィートほど滑走した後に離陸したが、
50フィートほど上昇したところで機体が30度ほど右へヨーイングし始めた。
機体は第4エンジンが地面に接触するまで傾き続けた。
機体は右にスリップしながら墜落し、
数秒後に火災が発生した。
燃え盛る機体から機長と航空機関士、訓練生2人の4人が脱出したが、
訓練生2人はその後死亡した。
機長と航空機関士は一命をとりとめたが重傷を負った。
航空機関士は病院に搬送され、
皮膚移植などの手術を行い、退院には4ヶ月を要した。
残りの訓練生1人の遺体はコックピットの残骸から発見された。
墜落の衝撃と火災により機体は完全に破壊された。
火災が鎮火したのは1時間後の事だった。
初期の報告では第2エンジンと第3エンジンの故障により操縦不能に陥ったことが原因だと伝えられた。