小窓
航空機事故詳細

作成日:2025/6/18

事故発生日:西暦1967年11月20日
便名:トランス・ワールド航空 128便(機体記号:N821TW)
機種:コンベア 880-22-1
死者:乗員7人乗客75人、合計82人中70人が死亡。
状況:128便はロサンゼルス国際空港を東部標準時(以降同様)17時37分に出発し、 シンシナティまでは特に問題は発生していなかった。 当初の飛行計画ではシンシナティ空港の滑走路18(現:滑走路18C)へILS方式で着陸する予定だったが、 着陸予定の滑走路の中央のマーカービーコンやグライドスロープ、 及び進入灯が使用不可になっていた。 こういった状況では本来は操縦士が滑走路を視認するまで1,290フィートの最低アプローチ高度を維持する必要があった。
20時56分、128便はアウターマーカーを通過した事を報告し、 着陸許可が出た。 クルーは降下を開始し、 着陸時の最終チェックリストの確認を開始した。 しかし、着陸進入中に高度875フィートに達した128便は、 滑走路18のセンターラインから9,357フィート手前で、 429フィート右にズレた地点の木に激突した。 生存者の証言によるとその時の衝撃はハードランディングのようだったと例えられ、 そこから複数回バウンドした後最後の衝撃が続いたとしている。 128便は滑走路から6,878フィート手前の森林で止まり、 そこで機体はバラバラになり炎に包まれた。
事故機に乗っていた82人の内、 60人は即死し、 事故後数日以内に更に10人が死亡した。 残りの12人(乗客10人乗客2人)は負傷したものの生存した。 生存者の一人によると事故機は目の前で崩壊し、 爆発する寸前に間一髪機体から降りて走って逃げたという。
国家運輸安全委員会(NTSB)が事故調査を行った。 NTSBは最終事故調査報告書で、 クルーが天候が悪化する状況だったにもかかわらず有視界飛行方式によって高度計を確認せずにそのまま着陸しようとしたパイロットエラーが原因だと結論付けた。 当時のオハイオ州知事だったジム・ローズは事故を受けシンシナティ空港の滑走路18を閉鎖するよう命じた。 その後滑走路の使用が再開された時はNTSBの推奨に従って手前の丘に高出力の灯やグライドスロープのビーコンを設置した。