状況:800便は13時05分にフィウミチーノ空港の滑走路25まで
タキシングし、
その1分後に滑走路上で加速し始めた。
しかし、時速148キロメートルに達した時点で計器が第4エンジン推力がゼロであることを示し、
すぐに第2エンジンの逆噴射装置を作動させるためのインジケーターが点灯した。
パイロットは滑走路端から800~900メートル手前の地点で離陸を中止したが、
機体はパイロットが予想していたよりもすぐには減速せず、
右に旋回した後に第4エンジンが地上にあったロードローラーに衝突した。
この衝突で機体は炎上し始めたが、
同機はさらに260メートル程進んだ。
機体が完全に静止する前に機体中央の燃料タンクが爆発し、
これによって機体は完全に破壊された。
この事故で乗員5人(副操縦士と客室乗務員4人)と乗客45人が死亡したが、
残りの23人は負傷しつつも生存した。
事故調査の最終報告書によれば、
事故原因は第2エンジンの逆噴射装置が作動しなかったことであった。
これは、エアインテークが断裂してエアシリンダーの空気圧が不足したことが原因とされている。
これにより、
4基のエンジン全てのスラストレバーが逆噴射の位置にあったにもかかわらず、
第2エンジンは機体を前方に進ませる推力を発生させることとなった。