小窓
航空機事故詳細

作成日:2025/6/15

事故発生日:西暦1963年5月10日
便名:日東航空 つばめ号(機体記号:JA3115)
機種:デ・ハビランド・カナダ DHC-3 オッター
死者:乗員2人乗客9人合計11人の内乗客全員の9人が死亡。乗員2人が負傷。
状況:日東航空つばめ号墜落事故は、 大阪空港から徳島へ向かっていた日東航空(日本エアシステムなどを経て現在の日本航空)のDHC-3オッター水陸両用旅客機「つばめ号」が、 淡路島の兵庫県三原郡南淡町(現在の南あわじ市)にある諭鶴羽山に墜落したのは、 西暦1963年5月1日8時56分ごろであった。 つばめ号は8時11分に大阪を離陸したが、 濃霧の中を飛行していたため航路を誤り、 諭鶴羽山中腹の標高約300m地点に墜落し大破炎上した。 事故機は西暦1958年4月に新造機で購入した機体で、 事故の1か月ほど前にオーバーホールした時点では何も問題はなかったという。
事故の連絡を受け、 所管の三原署は警察車両5台を現場に向かわせると共に、 近くの南淡中学校に現地対策本部を立ち上げた。
運航乗務員2名は操縦席左右のハッチから脱出して救助されたが、 乗客の9名全員が犠牲となった。 乗客は着席してシートベルトを締めたままだった事もあり、 火の回りが速く逃げ出す余裕がなかったためとされた。 遺体は洲本で荼毘に付されたあと各遺族へ引き渡された。 日東航空は5月6日に大阪市北区の東本願寺で合同葬儀を行うと発表したが、 一部の遺族はこれに反対した。
なお、機長の業務上過失致死傷、航空法違反について大阪高裁で有罪判決が下されたが、 最高裁は上告を棄却した。 航空事故に関する裁判としては最高裁では最初のものである。