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水害日本 [災害一覧]

作成日:2025/1/12

発災日順で記載する。

1953/06/25:昭和28年西日本水害

昭和28年西日本水害
日付(自)西暦1953年6月25日
  (至) 西暦1953年6月29日
被災地域九州北部地域
     福岡、佐賀、
     熊本、大分
気象要因梅雨前線による集中豪雨
最多雨量1,455.3mm
     (熊本県鹿本郡山鹿町)
最多雨量101.0mm
     (福岡県小倉市)
死者  759人
行方不明242人
負傷者 2,775人
昭和28年西日本水害西暦1953年昭和28年)6月25日から6月29日にかけて九州地方北部(福岡県、佐賀県、熊本県、大分県)を中心に発生した、 梅雨前線を原因とする集中豪雨による水害である。

阿蘇山、英彦山を中心に、 総降水量が1,000ミリを超える記録的な豪雨により、 九州最大の河川である筑後川をはじめ白川など、 九州北部を流れる河川がほぼすべて氾濫、 流域に戦後最悪となる水害を引き起こし、 死者・行方不明者1,001名、 浸水家屋45万棟、被災者数約100万人という大災害となった。

この水害により、 筑後川など九州北部の河川における治水対策が根本から改められることになり、 現在においても基本高水流量の基準となっている。

この九州北部を襲った水害には、 気象庁による明確な災害名がつけられておらず、 熊本県では「白川大水害」、「6.26水害」、 北九州市では「北九州大水害」など、 地域によってさまざまな呼称が用いられているほか、 諸文献によっても災害名称が異なっている。 本記事名は土木学会西部支部の調査報告書に準拠し、 「昭和28年西日本水害」と呼称する。

1953/07/17:紀州大水害

紀州大水害
日付(自)西暦1953年7月16日
  (至) 西暦1953年7月25日
被災地域
気象要因梅雨前線停滞による
       集中豪雨
最多雨量700mm超
     (紀伊半島)
死者  713人
行方不明411人
負傷者 5,819人
紀州大水害は、西暦1953年昭和28年)7月18日前後の集中豪雨に起因する水害である。 和歌山県中部を中心として山崩れや崖崩れ、 洪水が起こり、 和歌山県史上最悪の気象災害となった。 28年水害7.18水害などともいう。

西暦1953年昭和28年)7月17日から翌18日朝にかけて梅雨前線による豪雨(南紀豪雨)が和歌山県北部を襲い、 和歌山県の山間部では24時間で500mm以上の雨量を記録した。 これにより引き起こされた水害は、 死者行方不明者計1015人、 家屋全壊3209棟、 家屋流出3986棟、 崖崩れ4005か所など、 被災者は26万2千人(これは当時の県民の1/4にあたる)にのぼるという和歌山県史上最悪の気象災害となった。

被害は和歌山県内の有田川、日高川、熊野川を中心に県内全域におよび、 上流の山間部では各地で土砂崩れ、 山津波を起こし、 その下流平野部では大規模な河川の氾濫が起き、 両方で大きな被害を出した。

特に日高川と有田川が被害甚大で、 有田川上流の花園村(現在のかつらぎ町花園)では深層崩壊による大規模な地すべりにより中心集落が壊滅したという。 また、日高川河口では上流から流された犠牲者の遺体が浜を埋め尽くしたという話も残っている。

1953/08/14:南山城水害

南山城水害
みなみやましろすいがい
日付(自)西暦1953年8月14日
  (至) 西暦1953年8月15日
被災地域京都府
気象要因寒冷前線
最多雨量
最多雨量
死者  290人
行方不明140人
負傷者 994人
南山城水害とは、 西暦1953年昭和28年)8月14日から8月15日にかけ、 京都府南部(綴喜郡および相楽郡)において、 集中豪雨が原因となって木津川の支流で発生した水害である。

西暦1953年8月14日から15日にかけて、 南山城地域は、 寒冷前線が停滞したことを原因とする集中豪雨に襲われた。 雨は14日夕刻から降り始め、 15日未明には雷を伴う豪雨となり、 山間部では400ミリを越える記録的な雨量となった。

この雨は各地で山崩れを引き起こし、 大量の流木を含む土石流が発生。 多くの溜池や木津川支流の堰堤、堤防が決壊した。 井手町では、玉川上流にある溜池の、 大正池と二ノ谷池の決壊によって土石流が引き起こされ、 下流の玉川も決壊した。 のちの山城町(現在は木津川市)に当たる地域では、 不動川や鳴子川が決壊し、 和束町では、和束川が氾濫し大きな被害を出した。

集中豪雨」という言葉が使われたのは, この時の朝日新聞の見出しが初出であるとされる。

1953/06/25:あ

日付(自)西暦1953年6月25日
  (至) 西暦1953年6月29日
被災地域
     
     
気象要因
最多雨量1,455.3mm
     (熊本県鹿本郡山鹿町)
最多雨量101.0mm
     (福岡県小倉市)
死者  759人
行方不明242人
負傷者 2,775人
 

関連する用語

用語一覧(読み仮名順)
しゅうちゅうごうう集中豪雨
ばいうぜんせん梅雨前線

集中豪雨

集中豪雨(しゅうちゅうごうう)

集中豪雨とは、 局地的で短時間の強い雨、 つまり限られた地域に対して短時間に多量の雨が降ることを言う。 現在の日本においては一般にも学術用語にも用いられるが、 雨量などに基づいた定量的な定義はない。

日本の気象庁は以下の2つの用語を使い分けているが、 一般的にはどちらも「集中豪雨」と呼ばれる。
局地的大雨
単独の積乱雲によりもたらされる、数十分の短時間に、数十mm程度の雨量をもたらす雨。
集中豪雨
積乱雲が連続して通過することによりもたらされる、数時間にわたって強く降り、100mmから数百mmの雨量をもたらす雨。局地的大雨が連続するもの。

なお気象庁は、 災害の恐れのある雨を「大雨」、 著しい災害に至った雨を「豪雨」と呼んでいて、 「豪雨」「集中豪雨」は過去の災害に対してのみ用い、 これから起こる大雨に対しては用いない。

学術的には、「大雨」は単に大量の雨が降ること、 「豪雨」は空間的・時間的にまとまって災害をもたらすような雨が降ること、 「集中豪雨」は空間的・時間的な集中が顕著な豪雨を指すとされるが、 区別は明確ではない。

梅雨前線

梅雨前線(ばいうぜんせん)

梅雨前線とは停滞前線の一種で、 梅雨の時期、 南にある暖かく湿った太平洋高気圧と、 北にある冷たい空気を持ったオホーツク海高気圧が日本の上空で活発化する停滞前線のことである。 移動速度は遅いものの時間をかけて北に向かっていき、 8月上旬になる頃には東北北部や北海道南部あたりで消滅する。 比較的に穏やかで雨期も長いことが特徴。 なお梅雨前線のもう1つの特徴として発生当初よりも、 消滅するより前の状態の方が活発に活動する傾向がある。

梅雨前線を発生させる気団は勢いが拮抗しており、とても不安定であり、 基本的には雨の振り方は強くない。 しかし、寒気や台風などが流れ込んでくると、 前線の動きが活発になり、 積乱雲を含めた強い雨雲や豪雨になる場合もある。

2つの気団の勢力は拮抗しているので、 そのバランスが安定した場合は梅雨前線が動くことは滅多にないが、 低気圧が近づいたりしてバランスが崩れた場合は一時的に温暖前線や寒冷前線に変化する。

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