小窓
日本初の第九

作成日:2024/5/20

日本初の第九演奏会  西暦1918年大正7年)6月1日

日本で最初にベートーベンの「交響曲第九番」が演奏されたのは、 徳島県の板東町(現・鳴門市大麻町)にあった板東俘虜収容所でドイツ兵の俘虜(捕虜)によって披露された。 西暦1918年大正7年)6月1日のことである。

板東俘虜収容所では約千人のドイツ兵捕虜を収容。 捕虜は解放されるまで約3年間を過ごしたが、人道的な運営が行われ、朝晩の点呼以外は自由な生活が許された。

収容所の記録や資料を所蔵・展示する同市ドイツ館によると、 そんな自由な雰囲気の中で捕虜たちによる楽団が結成され、 西暦1918年大正7年)6月1日、 アジアで初演となる「第九」が収容所内で披露された。 海軍砲兵隊のヘルマン・ハンゼン楽隊長の指揮で全楽章を40人が奏で、 4人が独唱し、80人が合唱。 このときは捕虜に向けての演奏だったが、 収容所は開放的だったため、 演奏は周辺住民の耳にも届いた。