国境なき医師団(仏:Medecins sans Frontiers、英:Doctors without Borders) 略称:MSF
西暦1968年から
西暦1970年にかけて、
赤十字の医療支援活動のために、
ナイジェリア内戦中のビアフラに派遣されたフランス人医師たちを中心に設立された。
ビアフラでの活動から戻った彼らは、
各国政府の中立的態度や、
沈黙を守る赤十字国際委員会の活動に限界を感じ、
人道援助およびメディアや政府に対して、
議論の喚起を行う組織を作る必要があると考えた。
そして全ての人が医療を受ける権利があり、
また医療の必要性は、
国境よりも重要だという信念に基づき、
西暦1971年12月20日フランスで「国境なき医師団」を創設した。
本部はパリ。
世界最大の国際的緊急医療団体である。
西暦1999年にノーベル平和賞を受賞した。
天災・戦争などあらゆる災害に苦しむ人びとに、
宗教・思想・政治体制の別なく、
迅速に医療援助を提供することを目的とする。
反政府勢力の支配地域など、
従来国際赤十字などが活動を展開できない地域でも活動を行う。
国境なき医師たちは、
切迫した危機にある人たち、
天災にせよ人災にせよ災害の犠牲者たち、
交戦状態の犠牲者たちに対して、
人種的、宗教的、思想的、政治的な、
いかなる差別もせず、
支援をもたらす。
厳格な中立性と公平性とを守って行動する国境なき医師たちは、
普遍的な医療倫理と人道的支援への権利の名において、
自らの役割を行使する完全無欠な自由を求める。
国境なき医師たちは、
自らの職業倫理の原則を尊重することを約束し、
いかなる政治勢力であろうと、
経済的勢力であろうと、
あるいは宗教的勢力であろうと、
あらゆる権力に対して、
完全な自立を保持することを約束する。
ボランティアで参加する国境なき医師たちは、
自らの使命にともなう危機や脅威を承知し、
医師団が用意することができる以外の、
いかなる見返りも求めない。
《 MSF憲章(結成趣意書)》