前漢(ぜんかん)
紀元前202年 -
西暦8年
前漢は、中国の王朝である。
西漢(せいかん)とも呼ばれる。
秦滅亡後の楚漢戦争(項羽との争い)に勝利した劉邦によって建てられ、
長安を都とした。
武帝の時に全盛を迎え、
その勢力は北は外蒙古・南はベトナム・東は朝鮮・西は敦煌まで及んだが、
孺子嬰の時に重臣の
王莽により簒奪され一旦は滅亡した。
その後、漢朝の傍系皇族であった劉秀(光武帝)により再興される。
前漢に対しこちらを
後漢と呼ぶ。
中国においては東の洛陽に都した
後漢に対して西の長安に都したことから
西漢と、
後漢は
東漢と称される。
前漢と
後漢との社会・文化などには強い連続性があり、
その間に明確な区分は難しく、
前漢と
後漢を併せて
両漢と総称されることもある。
この項目の社会や文化の節では前漢・後漢の全体的な流れを記述し、
後漢の項目では明確に後漢に入って流れが変化した事柄を記述する。
漢という固有名詞は元々は長江の支流である漢水に由来する名称であり、
本来は劉邦がその根拠地とした漢中という一地方をさす言葉に過ぎなかったが、
劉邦が天下統一し支配が約400年に及んだことから、
中国全土・中国人・中国文化そのものを指す言葉になった(例:「漢字」)。
当時の度量衡については以下の通り。
距離・1里=300歩=1800尺=414m 面積・1畝=4.61a 重さ・1斤=16両=1/120石=240g 容積・1升=199.7ml。