小窓
小窓集(化石)

作成日:2024/2/21

よみがな順で記載する。

化石(かせき)

化石(かせき)  英語:Fossil

化石には明確な定義がはないが、 一般に考えられている化石の定義は、 1万年以前の生物、 あるいは、 生物の生活していた様子(足跡や巣穴)などが地層などに埋没して自然状態で保存されてるものを指す。
つまり、貝塚は自然状態ではないため化石には含まれない。

化石は大別すると3タイプに分かれる。
体化石
生物の体全体や一部そのものが化石になったものを指す。 アンモナイト三葉虫、サメの歯、 琥珀の中の昆虫などは体化石に含まれる。 一般に骨や貝殻などが化石として残りやすくなるが、 好条件に恵まれると動物の体組織も残ることがある。 氷付けのマンモスが一例で皮膚や体毛までしっかり保存されてる。
生痕化石
生物の生活していた様子(足跡や巣穴)を指す。 恐竜の足跡や三葉虫の這い痕、爬虫類の糞化石などである。 体化石だけでは生活の様子が判断できないときに、 生痕化石は大きな意味をもつ。 恐竜の足跡から生活場所、歩幅など、 糞化石から食生活まで物語ってくれる。 ウミサソリが水中から陸に出た足跡、 というのもあり、 動物の上陸の瞬間などと言われている。
化学化石
生物の有機物(炭化水素やDNA)が化石となったもの。 映画ジュラシックパークに登場した、 琥珀の中の蚊の体内にあった恐竜の血液などがこれにあたる。

示準化石(しじゅんかせき)

示準化石(しじゅんかせき)   英語:index fossil /
標準化石(ひょうじゅんかせき) 英語:leading fossil

示準化石とは、 その化石の含まれる地層が堆積した地質時代を示す化石である。 標準化石とも言われる。
その他に、 地層が堆積した環境を推定するのに有効な化石を「示相化石」と呼ぶ。

化石とそれが示す時間尺度について最初に注目したのは、 ウィリアム・スミスであった。
彼は、 化石による地層の対比と時間の同定についての知見を、 後に地層同定の法則と呼ばれる法則にまとめると共に、 実地に応用し、 世界最初の地質図を作り上げた。

示準化石には(保存性のよい)殻を持ち、 個体数の多い小型の動物、 二枚貝や巻き貝、 あるいは甲殻類等が多い。
三葉虫(古生代)やアンモナイト、 三角貝(中生代)などは、 いずれも広く分布し、 多くの属種に分化したことが明確であることから、 それぞれの時代を象徴する示準化石としてよく知られている。

示相化石(しそうかせき)

示相化石(しそうかせき)  英語:facies fossil

示相化石とは、 その化石が含まれる地層の堆積環境を明確に示す化石のことである。

化石の元となる生物には気温・水温・水深など生息環境が限定されているものもいる。 そのような生物の化石の存在により、 その地層が堆積した当時の環境(古環境)を推定できる。 例えば、サンゴの化石が産出した場合、 その地層は温暖な浅海域で堆積したことが分かる。 また、 有孔虫などの微化石も環境によって生息する種が変化するため、 示相化石として役立つ。 石炭紀やペルム紀の地層から産出するフズリナはサンゴなど浅海性の化石と共産することが多く、 示相化石としての価値が高い。

また微化石は酸素の安定同位体比から古水温を推定可能とする材料でもあり、 新たな形の示相化石でもある。

化石が示相化石として用いられる条件として、以下のものがあげられる。 示相化石を判断する際に重要なのが、 その化石が現地性のものであるか、 という点である。 ある生物が死亡した後、 流水や海底地すべりなどにより堆積物中に取り込まれる過程で本来の生息場所から運搬された場合(すなわち異地性の場合)、 その化石は示相化石としては役に立たない。 現地性の化石と異地性の化石の区別は容易ではないが、 破砕などされておらずよく保存されている化石は現地性の化石の場合が多い。 また、陸上生物の化石が海洋生物の化石と共産した場合には、 前者は海へ流された異地性の化石と判断できる。