カナリア諸島(スペイン語: Islas Canarias)は、
アフリカ大陸の北西沿岸に近い大西洋上にある、
7つの島からなる
スペイン領の群島である。
カナリアス諸島ともいう。
諸島全体で
カナリア諸島自治州を構成する。
大陸で最も近い
モロッコ王国からの距離は100km~500km程度である。
カナリア諸島は、大西洋のハワイといわれている。
かつてはアラブ人やノルマン人、
ポルトガル人などが来航・支配していたが、
15世紀末に、
おそらく先住民であったベルベル系のグアンチェ族共々、
カスティーリャ王国が征服している。
グアンチェはのちに家系の断絶や移住者の流入、
および混血によるスペイン人への同化によって人数は減少した(とはいえ、現在のカナリア諸島の住民にも、グアンチェの血はかなり流れている)。
その後カナリア諸島は、
中南米へのスペインの進出活動における基地として重要な役割を果たすことになり、
また同諸島の土地の貧しさから住民が数多くイスパノアメリカに移住した(特にキューバ、プエルトリコおよびベネズエラ)。
西暦1960年代以降には保養地および観光地として発展を遂げることとなった。
グラン・カナリア島のラテン語名「Insula Canaria(「犬の島」の意)」に由来する。
のち複数形「Insulae Canariae」として諸島全体を意味することにもなった。
州の紋章には、
7つの島々をはさんで一対の犬が描かれている。
「犬の島」の由来には以下の諸説がある。
- かつて生息していたアザラシ(ラテン語で「海の犬」と呼ばれる)に由来するとする説。
- 古代ローマの学者大プリニウスが、島に多くの野犬がうろついていることを最初に伝えたことによるとする説。
なお、鳥の一種カナリアの名は、原産地のひとつである本島に因んでおり、
カナリアが生息しているからカナリア諸島となったわけではない。