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半導体

作成日:2024/4/18

ダイオード

ダイオード  英語:diode

ダイオードは整流作用(電流を一定方向にしか流さない作用)を持つ電子素子である。 最初のダイオード2極真空管で、 後に半導体素子である半導体ダイオードが開発された。 その後も研究が進み、 今日では非常に様々な種類のダイオードが存在する。

西暦1919年、 イギリスの物理学者ウィリアム・エクルズが、 2極真空管のことを指して、 ギリシア語のdiと 英語のelectrode(電極)の語尾を合わせて造語した。

西暦1900年代初頭、 熱電子によるダイオード(真空管)と固体によるダイオード(半導体)は、 無線受信機の復調用として同時期に個別に開発された。

西暦1950年代は、 真空管ダイオードがラジオに最も多く使われた。 これは初期の点接触半導体ダイオードが信頼性に劣り、 また、多くの受信機には増幅用真空管が使われ、 この真空管内にダイオード部を混成させることが容易であることと、 真空管整流器およびガス入り整流器は高電圧・大電流用途に対し同時期の半導体ダイオード(セレン整流器など)よりも適していたことがあげられる。

集積回路

集積回路  英語:integrated circuit  略称:IC

集積回路は、 トランジスタや抵抗、 コンデンサなど様々な部品で構成された電子回路を、 半導体の表面に形成した上で封入した電子部品である。 西暦1940年代末に実用化されたトランジスタに次いで考案されて以降、製造技術の進歩により急速に微細化し、性能が向上してきた。

製造においては、 フォトリソグラフィという光学技術を利用することにより、 微細な素子や配線をひとつずつ組み立てることなく大量に生産できるため、 現在のコンピュータやデジタル機器を支える主要な技術の一つとなっている。

集積回路は、 シリコン単結晶などに代表される「半導体チップ(ダイという)」の表面に、 不純物を拡散させることによって、 トランジスタ・コンデンサ・抵抗器として動作する構造を形成したり、 アルミ蒸着とエッチングによって配線を形成したりすることにより、 複雑な機能を果たす電子回路が作り込まれている電子部品である。

多くの場合、 複数の端子を持つ比較的小型のパッケージに封入され、 内部で端子からチップに配線されモールドされた状態で、 部品・製品となっている。

トランジスタ

トランジスタ  英語:transistor

トランジスタとは、 電子回路において、 信号を増幅またはスイッチングすることができる半導体素子である。 コレクタ(C)、ベース(B)、エミッタ(E)と呼ばれる3つの端子を有するもの(バイポーラトランジスタ)が一般的である。 コレクタ-エミッタ間の電流をベース端子に加えた電圧により制御する。 ベース端子に加えた電圧が低いときはコレクタ-エミッタ間には電流が流れない、 ベース端子に加えた電圧が高くなるとコレクタ-エミッタ間に電流が流れる性質を活用したのがスイッチング機能である。 ベース端子に流れる電流に比べ、 コレクタ-エミッタ間に流れる電流がはるかに多いことを利用したのが増幅機能となる。

西暦1940年代末に実用化されると、 真空管に代わってエレクトロニクスの主役となった。 論理回路を構成するための電子部品としては最も普及しており、 集積回路(IC)の多くは微細なトランジスタの集合体である。 CPUやMPUに内蔵されているトランジスタの数は増え続け、 今ではひとつのチップに700億個以上のトランジスタが搭載されている製品もある。 CPUやMPUは、 それらの膨大な数のトランジスタが高速でスイッチングを行うことで動作しており、 スマートフォンやパソコン、 コンピュータネットワーク、 テレビ、 自動車などのあらゆる機器や装置の動作においてトランジスタが関与している。 なお、 この名称はtransfer(伝達)とresistor(抵抗)を組み合わせたかばん語であり、 ジョン・R・ピアースによって西暦1948年に名づけられたものである。

半導体

半導体  英語:semiconductor

物質には電気を通す「導体」と、 電気を通さない「絶縁体」の2種類が存在する。 半導体とは、 状況により電気を通したり、 通さなかったりする物質のことである。 半導体は、 不純物の導入や熱や光・磁場・電圧・電流・放射線などの影響で、 その導電性が顕著に変わる性質を持つ。 この『通電性の変化』を瞬時に切り替えられる性質を利用して、 トランジスタ集積回路などの半導体素子に利用されている。

ただし、 日本においては、 この半導体を材料に用いたトランジスタやダイオードなどの半導体素子も、 慣用的に"半導体"と呼ばれることが多いので注意を要する。
顕著な例としては「半導体メーカー」がある。 これは物質としての半導体を製造しているのではなく、 半導体素子を製造しているメーカーを指している。

半導体素子に利用される半導体には下記のものがある。
ケイ素(シリコン、Si)、ゲルマニウム(Ge)、フラーレン、カーボンナノチューブ、 セレン化亜鉛(ZnSe)、硫化カドミウム(CdS)、酸化亜鉛(ZnO)など

半導体素子

半導体素子  英語:semiconductor device

半導体素子とは、 半導体で作られた電子回路の構成要素である。半導体デバイスともいう。 また半導体素子”半導体”と呼ばれることも多い。、 この場合は、 物質である半導体ではなく、 半導体素子を指している。 これは話の脈絡により判断する他ない。

半導体素子は種類ごとに電気的特性と機能を持っており、 基本素子として整流機能を有するダイオード、 増幅機能を有するトランジスタ、 スイッチング機能を有するサイリスタ等がある。 またシステム的なものとして、 トランジスタの論理回路を集積させて高度な演算機能を実現する集積回路(IC・LSI)、 CCD・CMOSを利用した光電変換機能を集積した固体撮像素子などがある。 これらについて半導体素子・半導体デバイスは動作原理を表す概念的モデルから、 具体的な製品まで、様々なレベルのものを指す。

コンピュータ、携帯電話等の電子機器でその中心的機能を担っている。 さらに機械分野でも制御機能の高度化に伴い自動車や各種産業機器にも組込まれている。

世界の電子機器メーカーの半導体需要は、 西暦2018年において4,766億ドルであった。

フォトリソグラフィ  英語:photolithography

フォトリソグラフィは、 感光性の物質を塗布した物質の表面を、 パターン状に露光(パターン露光、像様露光などともいう)することで、 露光された部分と露光されていない部分からなるパターンを生成する技術。

主に、集積回路、プリント基板、印刷版、 液晶ディスプレイパネル、 プラズマディスプレイパネルなどの製造に用いられる。