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列女伝(れつじょでん) 劉向

作成日:2021/9/4

『列女伝』(繁体字: 列女傳; 簡体字: 列女传;)は、中国の前漢の劉向によって撰せられた、女性の史伝を集めた歴史書で、女性の理想を著した唯一の教訓書とされた。

概要

劉向の原著は7篇構成で、 のちに本文の7篇を上下に分け、 劉歆の撰と伝わる頌1巻を加えた15巻構成となり、 曹大家(班昭)の註が加えられた。
現行本は南宋の蔡驥による再編本で、 原著の7巻に頌文を分かち加え、 『続列女伝』を加えた8巻構成となる。

漢の班昭・馬融、 呉の虞韙の妻の趙氏、 東晋の綦毋邃らによる註があったが、 いずれも散逸した。

現存の注釈には、 清の王照円の『古列女伝補注』、 顧広圻の『古列女伝考証』、梁端の『列女伝校注』がある。

日本では、明治時代に松本万年の注釈『参訂劉向列女伝』がある。

構成

1.母儀伝
2.賢明伝
3.仁智伝
4.貞順伝
5.節義伝
6.弁通伝
7.孽嬖伝
8.続列女伝

他の列女伝

劉向のもの以外にも、 皇甫謐の『列女伝』など、 数多くの『列女伝』が作られたが、その多くは散逸した。

また、『後漢書』をはじめとして正史の中にも列女伝が収められるようになった。

日本で『列女伝』の形式を襲ったものに、 江戸時代の『本朝列女伝』『本朝女鑑』などがある。
また、北村季吟『仮名列女伝』は、劉向の『列女伝』を日本語に直したものである。

日本語文献