小窓
ノアの方舟(Noah's Ark)

作成日:2021/6/4

ノアの方舟は、旧約聖書の『創世記』(6章-9章)に登場する、 大洪水にまつわる、ノアの方舟物語の事である。
もしくは、その物語中の主人公ノアとその家族、多種の動物を乗せた方舟自体を指す。
「はこぶね」は「方舟」のほか、「箱舟」「箱船」などとも記される。
コーラン』にも類似の記述があり、「ヌーフの方舟」と呼ばれる(11章 フード)。

由来は、 旧約聖書で「ノアの洪水」が起きたのが、 ノアが600歳の時の第2の月の17日となっている。
40日間雨が降り続いて地上の全てが水没し、 1年後の第2の月27日に地が乾いたとの伝説にちなむ。

旧約聖書『創世記』によると、

神は地上に増えた人々が悪を行っているのを見て、 これを洪水で滅ぼすと「神と共に歩んだ正しい人」であったノア(当時約600歳)に告げ、 ノアに箱舟の建設を命じた。
ノアとその家族8人は一生懸命働いた。
その間、 ノアは伝道して、 大洪水が来ることを前もって人々に知らせたが、 耳を傾ける者はいなかった。

箱舟は聖書17世紀に出版された聖書の英語翻訳)においても、 翻訳されずにそのまま載せられている。 ">ゴフェルの木でつくられ、 三階建てで内部に小部屋が多く設けられていた。
箱舟の内と外は木のヤニで塗られた。
ノアは箱舟を完成させると、 家族とその妻子、 すべての動物のつがいを箱舟に乗せた。
洪水は40日40夜続き、 地上に生きていたものを滅ぼしつくした。
水は150日の間、 地上で勢いを失わなかった。
その後、箱舟はアララト山の上にとまった。

40日のあと、 ノアは鴉を放ったが、 とまるところがなく帰ってきた。
さらにを放したが、 同じように戻ってきた。
7日後、 もう一度を放すと、 はオリーブの葉をくわえて船に戻ってきた。
さらに7日たってを放すと、 はもう戻ってこなかった。

ノアは水が引いたことを知り、 家族と動物たちと共に箱舟を出た。
そこに祭壇を築いて、 焼き尽くす献げ物を神に捧げた。
神はこれに対して、 ノアとその息子たちを祝福し、 ノアとその息子たちと後の子孫たち、 そして地上の全ての肉なるものに対し、 全ての生きとし生ける物を絶滅させてしまうような大洪水は、 決して起こさない事を契約した。
神はその契約の証として、空に虹をかけた。

ノアの方舟がたどり着いたところは、 今のアララト山(現・トルコ共和国東端の標高5.165mの山)の山頂、 あるいは山腹だと記されている。
またアララト山にノアの方舟の痕跡を見たと証言する者たちが、 昔から今に至るまで多い。

ノアの洪水は、 『聖書』研究者など多くの見解では、 西暦前2370年(紀元前3000年ころとも)に起こったとされている。