ノアの方舟は、旧約聖書の『創世記』(6章-9章)に登場する、
大洪水にまつわる、ノアの方舟物語の事である。
もしくは、その物語中の主人公ノアとその家族、多種の動物を乗せた方舟自体を指す。
「はこぶね」は「方舟」のほか、「箱舟」「箱船」などとも記される。
『コーラン』にも類似の記述があり、「ヌーフの方舟」と呼ばれる(11章 フード)。
由来は、
旧約聖書で「ノアの洪水」が起きたのが、
ノアが600歳の時の第2の月の17日となっている。
40日間雨が降り続いて地上の全てが水没し、
1年後の第2の月27日に地が乾いたとの伝説にちなむ。
旧約聖書『創世記』によると、
箱舟は聖書(17世紀に出版された聖書の英語翻訳)においても、
翻訳されずにそのまま載せられている。
">ゴフェルの木でつくられ、
三階建てで内部に小部屋が多く設けられていた。
箱舟の内と外は木のヤニで塗られた。
ノアは箱舟を完成させると、
家族とその妻子、
すべての動物のつがいを箱舟に乗せた。
洪水は40日40夜続き、
地上に生きていたものを滅ぼしつくした。
水は150日の間、
地上で勢いを失わなかった。
その後、箱舟はアララト山の上にとまった。
40日のあと、
ノアは鴉を放ったが、
とまるところがなく帰ってきた。
さらに鳩を放したが、
同じように戻ってきた。
7日後、
もう一度鳩を放すと、
鳩はオリーブの葉をくわえて船に戻ってきた。
さらに7日たって鳩を放すと、
鳩はもう戻ってこなかった。
ノアは水が引いたことを知り、
家族と動物たちと共に箱舟を出た。
そこに祭壇を築いて、
焼き尽くす献げ物を神に捧げた。
神はこれに対して、
ノアとその息子たちを祝福し、
ノアとその息子たちと後の子孫たち、
そして地上の全ての肉なるものに対し、
全ての生きとし生ける物を絶滅させてしまうような大洪水は、
決して起こさない事を契約した。
神はその契約の証として、空に虹をかけた。
ノアの方舟がたどり着いたところは、
今のアララト山(現・トルコ共和国東端の標高5.165mの山)の山頂、
あるいは山腹だと記されている。
またアララト山にノアの方舟の痕跡を見たと証言する者たちが、
昔から今に至るまで多い。
ノアの洪水は、 『聖書』研究者など多くの見解では、 西暦前2370年(紀元前3000年ころとも)に起こったとされている。