タレスの日食(英: Eclipse of Thales)
古代ギリシャの歴史学者
ヘロドトスによって、
同じく古代ギリシャの哲学者であったタレスが正確に予測したとして言及されている日食である。
もし
ヘロドトスの言及が事実であれば、
これは日食を発生前に予測した最初の事例ということになる。
多くの歴史学者は、
タレスが予測したのは
紀元前585年5月28日に発生した日食であったと考えている。
タレスがこの日食をどれほど正確に予測していたかについては未だ不確実であり、
この日食は全く予測されていなかったのではないかと考える歴史学者もいる。
他の日付を主張する歴史学者もいるが、
歴史的な出来事を説明するために必要とされる可視性の条件が揃っているのは
紀元前585年5月の日食だけである。
ヘロドトスによれば、
日食の出現は何らかの前兆として考えられており、
この日食によって長い間戦争が続いていたメディア王国とリュディア王国の間で起きていた戦闘は中断されることとなった。
そのために、この戦闘は後に「日食の戦い」と呼ばれることとなった。
アメリカ合衆国の作家であるアイザック・アシモフは、
日食の戦いについて、
日の精度で起きた時期が分かっている歴史的な出来事としては最も早いものであると考えており、
この戦いを「科学の誕生」と呼んでいた。