小窓
小窓集(企業)

作成日:2024/12/2

LLC

LLC(エルエルシー、有限責任会社
Limited Liability Company(リミテッド・ライアビリティ・カンパニー)

LLCは、 アメリカ合衆国の各州の法律に基づいて設立される会社形態の1つである。

LLCは、 西暦1977年にワイオミング州で初めて法制化された。 西暦1988年にキントナー規則が導入されて、 LLCを含む非コーポレーションの会社体に対する連邦税法上の取扱がある程度明確化されたこともあり、 それ以降急速に各州に普及した。 さらに西暦1997年、 IRSがチェック・ザ・ボックス規則を導入し、 税務上、 構成員課税を選択できることとされたことにより、 会社体レベルとその構成員レベルでの二重課税を回避できる使い勝手のよい企業形態として認識されるようになった。

監査役会設置会社

監査役会設置会社とは、 監査役会を置く株式会社及び会社法の規定により監査役会を置かなければならない株式会社をいう(会社法第2条10号)。

なお、 特例有限会社には監査役会を置くことができない(会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律17条1項。以下整備法という)。

指名委員会等設置会社

指名委員会等設置会社(しめいいいんかいとうせっちがいしゃ)

指名委員会等設置会社とは、 日本における株式会社の内部組織形態に基づく分類の1つであり、 指名委員会、 監査委員会及び報酬委員会を置く株式会社をいう(会社法2条12号)。 会社法について以下では、条数のみ記載する。

指名委員会等設置会社は、 従来の株式会社とは異なる企業の統治制度(コーポレートガバナンス)を有する。 株式会社では所有と経営が分離されているが指名委員会等設置会社では経営からさらに執行を分離している。 具体的には、 取締役会の中に社外取締役が過半数を占める委員会を設置し、 取締役会が経営を監督する一方、 業務執行については執行役にゆだね、 経営の合理化と適正化を目指す。

企業の経営を監督し、 意思決定を行う「取締役会」と、 実際の業務の執行を行う「執行役」の二つの役割を明確に分離したのは、 アメリカで採用されている組織構造のうち最大公約数的な部分を参考にしたものである。 東証一部上場企業で導入しているのは、 69社(東証二部、JASDAQ、マザーズ、セントレックスを含めると82社、いずれも2021年8月時点)である。

なお、いわゆる執行役員制度は会社法に規定された制度ではなく、 実際の構造も指名委員会等設置会社とは異なるので、 混同しないように注意しなければならない。

日本版LLC

合同会社(ごうどうがいしゃ)は、 日本における会社形態の1つである。 アメリカ合衆国各州の州法で認められる「LLC」をモデルとして導入されたので、 日本版LLCとも呼ばれる。

合同会社のすべての社員(この場合は出資者を意味する)は、 株式会社の株主と同様に、 会社の債務について有限責任である(会社法576条4項参照)。 このことは、 合名会社の全社員および合資会社の無限責任社員が会社の債務について無限責任を負うこと(同条2項、3項参照)と対照的である。

出資と経営が株主と取締役に分離し意思決定機関が事項によって異なる株式会社に対し、 合同会社をはじめとする持分会社は出資と経営が一体である。 そのため、 内部関係・意思決定手続の設計が簡易で、 合同会社は社員全てが有限責任であることから、 新規設立が認められなくなった有限会社に代わり小規模事業の法人化に利用されることが多い。 また、外国企業の日本法人設立に用いられたり、 証券化の際の受け皿としても利用されたりする。

会社法の施行によって最低資本金制度が撤廃され、 株式会社形態で事業を法人化する障壁も下がったが、 法人登記費用など設立費用は合同会社が有利である。

合同会社」という名称は、 会社法制定に関する法制審議会の議事録によれば特段に積極的な意味はなく、 単に従来からある合名会社・合資会社に「合」の字を揃える意図から選ばれたに過ぎず、 社員(=出資者)1名のみでも設立可能である。

法人番号

法人番号  利用開始:西暦2015年10月5日  管理団体:国税庁

法人番号は、 法人と一部の団体に対し日本の国税庁が指定する13桁の識別番号である(会社の法人番号は、商業登記の会社法人等番号12桁の左側に1桁のチェックディジットを付加したもの)。 国税、地方税、社会保険などの手続に使われる。 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(番号法、マイナンバー法)の規定に基づく。

「マイナンバー」は個人番号の通称であり、 法人番号は「マイナンバー」とはいわないが、 法人番号を「法人版マイナンバー」あるいは「企業版マイナンバー」と説明する報道もある。 「社会保障・税番号制度」の意味で「マイナンバー制度」という場合、 これには法人番号を含む。

内国法人であっても、設立登記がなく、 所得税の源泉徴収義務がなく(=役員・従業員に報酬・給与を支払わない)、 法人税・消費税の納税義務もない法人は、 その法人から国税庁に法人番号の指定を申請しない限り、 法人番号が指定されない。 申請しない限り法人番号が指定されない法人としては、 健康保険組合の一部、 土地改良区の一部、勤労者財産形成基金、 認可地縁団体などがある。