小窓
ポーポイズ現象

作成日:2025/8/25
ポーポイズ現象(porpoising)またはポーポイジングは、 自動車や船舶、航空機などが、 高速走行・航行中や着陸時などに、 上下揺れと縦揺れの連成運動を生じて止まらなくなる現象。 名称はネズミイルカ (porpoise) が海面を上下するように泳ぐ様子に由来する。

フォーミュラ1ではポーパシング、 あるいはバウンシング(bouncing)とも呼ばれる。 ただ一部の関係者からは「ポーパシングとバウンシングは異なる現象である」との意見もある。 ...
porpoiseの発音は「ポーパス」に近いが、 英文の綴り方を直読みすることの多い日本では「ポーポイズ」とされているようである。

航空機においては、 この現象が発生すると、 着地する度に乗員が繰り返し大きな衝撃を受け、 コントロールが全く効かなくなる危険な状態に陥ってしまう。 フェデックス・エクスプレス80便着陸失敗事故のように重大な事故に繋がることがある。

自動車レースでのポーポイズ現象はグラウンド・エフェクト・カー特有の問題で、 アンダーフロアに設けられたトンネルで負圧を作り出し、 地面にマシンを押し付ける力(ダウンフォース)を生み出す仕組みに起因している。 ブレーキング時や路面のバンプなどでマシンが前のめりになった際に、 アンダーフロアへの空気の流れが遮断されるとダウンフォースが失われる。 それが失われるとスプリングが伸び、 車高が上がることにより、 再びアンダーボディへ空気が流れ込みダウンフォースを生み出す。 この過程が繰り返されることにより、 車体全体が飛び跳ねているように見える。 西暦2022年のF1世界選手権では40年ぶりにグラウンド・エフェクト・カーが解禁されたことにより、 開幕前に実施されたテストでは、 各チームがポーパシングへの対応に迫られた。 また路面のバンプが激しいサーキット(特に路面が荒れやすい公道コース)では、 車体の底面がバンプに当たり似たような状況に陥ることがあり、 これについても対応が必要となる。