ポーポイズ現象(porpoising)または
ポーポイジングは、
自動車や船舶、航空機などが、
高速走行・航行中や着陸時などに、
上下揺れと縦揺れの連成運動を生じて止まらなくなる現象。
名称はネズミイルカ (porpoise) が海面を上下するように泳ぐ様子に由来する。
フォーミュラ1ではポーパシング、
あるいはバウンシング(bouncing)とも呼ばれる。
ただ一部の関係者からは「ポーパシングとバウンシングは異なる現象である」との意見もある。
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porpoiseの発音は「ポーパス」に近いが、
英文の綴り方を直読みすることの多い日本では「ポーポイズ」とされているようである。
航空機においては、
この現象が発生すると、
着地する度に乗員が繰り返し大きな衝撃を受け、
コントロールが全く効かなくなる危険な状態に陥ってしまう。
フェデックス・エクスプレス80便着陸失敗事故のように重大な事故に繋がることがある。
自動車レースでのポーポイズ現象はグラウンド・エフェクト・カー特有の問題で、
アンダーフロアに設けられたトンネルで負圧を作り出し、
地面にマシンを押し付ける力(ダウンフォース)を生み出す仕組みに起因している。
ブレーキング時や路面のバンプなどでマシンが前のめりになった際に、
アンダーフロアへの空気の流れが遮断されるとダウンフォースが失われる。
それが失われるとスプリングが伸び、
車高が上がることにより、
再びアンダーボディへ空気が流れ込みダウンフォースを生み出す。
この過程が繰り返されることにより、
車体全体が飛び跳ねているように見える。
西暦2022年のF1世界選手権では40年ぶりにグラウンド・エフェクト・カーが解禁されたことにより、
開幕前に実施されたテストでは、
各チームがポーパシングへの対応に迫られた。
また路面のバンプが激しいサーキット(特に路面が荒れやすい公道コース)では、
車体の底面がバンプに当たり似たような状況に陥ることがあり、
これについても対応が必要となる。