小窓
都加使主

作成日:2023/7/30

古代の渡来系豪族東漢(やまとのあや)氏の伝説的祖先。『日本書紀』によれば、5世紀初頭の応神(おうじん)天皇のときに父阿知使主(あちのおみ)とともに一族17県(あがた)の人々を率いて渡来し、のちに呉(ご)に派遣されて呉王より縫織工女(きぬぬいめ)4名を賜って帰国したという。『書紀』にはこれとは別に、5世紀後半の雄略(ゆうりゃく)朝に「東漢直掬(あたいつか)」なる人物が渡来人技術者集団を管理し、雄略死後の皇位継承をめぐる混乱の収拾にも尽力したことを記述しているが、都加使主はこの掬の名を祖先の渡来伝承に遡及(そきゅう)させて組み入れたものとみられる。