小窓
イシク・クル

作成日:2023/10/8

イシク・クルは、天山山脈の北、キルギスの北東に在る内陸湖。 イシク湖イシククル湖イスィククリ湖などとも表記される。 同国最大の面積をもつ。 イシク・クル州に位置しており、 この湖の北岸はイシク・クル地区と呼ばれている。

長さ182km、幅60km。面積は6,236 km2。 周囲は688kmで、琵琶湖の9倍。最大深度は668m。標高は1,606mという高地にある。 周囲から流れ込む河川は存在するが、 イシク・クルより流出する河川は認められない。

塩分濃度は0.6%程度である。 透明度は20mを超える。 数少ない古代湖の一つであり、世界で2番目に大きい高山湖である。 標高が高く、冬季は厳寒の気候であるが、 夏の水温は20度、冬の水温は3度程度ある。 塩分濃度が比較的低いにも拘らず、冬でも湖面は凍らない。 原因は不明だが、これは湖底から温泉が湧き出ているためという説がある。

イシク・クル周囲には多数の鉱山が存在する。 その為、ソビエト連邦支配下では、外国人の湖畔への立ち入りは禁じられていた。 しかしキルギスが独立した後は、貴重な観光資源としての活用が行われている。

イシク・クルの湖底には、多数の遺跡が水没している事が確認されている。 湖畔の砂浜には陶器など、 湖底遺跡から流れ着いたものが打ち寄せることが有る。 なぜ遺跡が存在するかは未だに謎である。 この件に関しては何度か潜水調査が行われ、遺跡は1つではなく、 様々な時代の遺跡が水没している事が判明した。 その内の1つに、曾(かつ)て湖畔に存在したという烏孫の赤谷城がある。

昔の文献によると、この湖には少なくとも16世紀頃までは島が有り、 更にその島には城が存在していたという事だが、今はその面影は全く無い。 ...